Mrs. GREEN APPLE(ミセス)『月とアネモネ』の歌詞とその意味&魅力について解説していきます。
この曲は、9thシングル『ロマンチシズム』の3曲目に収録された楽曲。
ミセスがメジャーデビューする前の2014年には既に完成していた曲だそうで、当時はお蔵入りになっていたこの曲を9thシングルのタイミングで復活させたそうです。
Dr.山中綾華さんがツインボーカルとして参加している作品として、ファンの間では絶大な人気を誇る隠れた名曲となっています。
Mrs. GREEN APPLE(ミセス)公式Instagramの投稿から。
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後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください!
それでは早速『月とアネモネ』の歌詞紹介から書いていきます。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
動画解説:『月とアネモネ』歌詞考察してみた
このブログの内容は下記の動画でも解説中!
Mrs. GREEN APPLE『月とアネモネ』歌詞
歌手:Mrs. GREEN APPLE
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
収録:9thシングル『ロマンチシズム』
発売日:2019年4月3日(水)
嘘にすることで
本当の気持ちから逃げれたような気がしたんだ
真実はいつだって 真っ向から嫌でも
迫るような日々だったのに
正直こんな世界を生きるのは困難だ
「欲に塗れるお金持ち」
「感情が栄養の浮浪者」
いつになったら「平等」の意味に気づくの
そんな私だって 貴方に。
全部全部 私が悪いから
解ってるから。気づいているから。
ごめんね 全部は背負いきれないや
しらばっくれることで
本当の答えから逃げれたような気がしたんだ
朝焼けはいつだって 切ないこの胸を
満たしてくれようと輝いたんだ
全員一致で拳を掲げ
幸せだと言えるかな
いつになったら「幸せ」の意味に気づくの
そんな私だって 時折
全部全部 月灯りに照らされ
嘘をついたことがバレていくんだ
ごめんね 全部は受け入れられないな
柔弱な愛で守りぬくから
綺麗なその瞳を潤わせていてよ
この日々がいつまでも続けばな
生きづらいこの日々達が続けばな
全部全部 私が悪いから
解ってるから。気づいているから。
ごめんね 全部は背負いきれないや
柔弱な愛で守りぬくから
綺麗なその瞳を潤わせていてよ
この日々がいつまでも続けばな
ありふれたこの日々達が続けばな
『月とアネモネ』歌詞の意味
この曲のタイトル『月とアネモネ』の”アネモネ”とは花の名前であり、その花言葉には”はかない恋”、”恋の苦しみ”、”見放された”、”見捨てられた”という意味があります。
100品種以上存在するアネモネには様々な色の花が存在し、それぞれに別の花言葉を持つのですが、基本的には花言葉もややネガティブなものが多いようです。
そして”月”という言葉は、暗いイメージの”アネモネ”に対比するモノとして描かれているのではないでしょうか。
暗くネガティブなものたちが月明かりに照らされるというコントラストが、なんとも不気味で切なさを感じずにはいられませんが、おそらく曲の大テーマは『愛』なのだと思います。
『月とアネモネ』が収録された9thシングルの表題曲『ロマンチシズム』で歌われた人類愛のようなものが、この曲の歌詞にも投影されているのような気がするのです。
ぜひ皆さんも歌詞を読み進めながら、自分なりの考察をしてみて下さい。
公式音源の紹介
iTunes上に公開されている公式音源がこちら。
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番:歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞から。
嘘にすることで
本当の気持ちから逃げれたような気がしたんだ
真実はいつだって 真っ向から嫌でも
迫るような日々だったのに
冒頭の<嘘にすること>という言葉は、その後に続く<本当の気持ち>に向けられた言葉になります。この曲の主人公は、自分の本当の気持ちに嘘を付き蓋をしたようなのです。
なぜなら、そうすることで苦しみから開放される気がしたからなのだと歌われます。
おそらくその<本当の気持ち>が、いつも主人公の心を苦しめていた原因だったのです。
そしてここで歌われる<真実>という言葉も、<本当の気持ち>と言い換えられるかもしれません。
これまでの主人公は、自分の気持ちに抗うことは不可能であり、心の苦しみからはいつまでも逃れられないものだと感じていたようなのですが、嘘をつくことでそれが可能になるかもしれないと悟ったのです。
その後1番Bメロの歌詞が続きます。
正直こんな世界を生きるのは困難だ
「欲に塗れるお金持ち」
「感情が栄養の浮浪者」
いつになったら「平等」の意味に気づくの
そんな私だって 貴方に。
ここで歌われるのは、主人公の包み隠すことのない<本当の気持ち>になります。
正直主人公は、今自分が生きるこの世界に対して絶望しているのです。
そしてここで歌われる「欲に塗れるお金持ち」という言葉は、”私欲に溺れてお金に執着した人”を皮肉った言葉であり、続く「感情が栄養の浮浪者」という言葉は、現代のSNSの社会を皮肉った言葉のように感じられました。
そんな人たちがこの世界を生き辛くしているのだと歌っているのです。
そして彼らのことを不公平でずるい人間だと言い捨てるのですが、実はその言葉がブーメランであることにも気付いているのだと思います。きっと最後の<そんな私だって 貴方に。>という言葉に続くのは、”嘘を付いている”という言葉なのです。
この世界の理不尽さを嘆く主人公もまた、嘘を付くという不平等な行為でこの世界を汚してしまっているのかもしれません。
そして1番サビの歌詞がこちら。
全部全部 私が悪いから
解ってるから。気づいているから。
ごめんね 全部は背負いきれないや
<全部全部 私が悪いから>という言葉からは、嘘を付くという不誠実な行為をしたことを謝る主人公の姿が想像できます。
その相手について明確に描かれてはいませんが、それは恋人かもしれないし、もっと大きなくくりで捉えるならばこれまで接してきた全ての人たちのことかもしれません。
そして特にここで注目したいのは、嘘を付いてしまった事実を謝る主人公の姿ではなく、嘘を付いてしまった理由になります。
Aメロ部分で歌われたように、自分を苦しみかから開放する為に嘘を付いたようなのですが、それは決して利己的な判断ではなく、主人公に残された最後の手段だったのです。
大きな心で全てを受け入れてきた主人公だったのですが、きっとそうすることが困難になってしまうほどに心が限界を迎えていたのだと思います。
この世界を生き抜いていく為には、人と良好な関係を築いていくことが必要不可欠であり、そのためには、自分や他人に嘘をつかなければならない日がやってくることがあるのだと、教えてくれているのかもしれません。
本当は誰にだって嘘は付きたくないのに、優しさを貫いていれば自分の心が限界を迎えてしまう。そんな世の中に対する嘆きがヒシヒシと伝わってきます。
たった3行の歌詞にこんなにも憂いや哀愁を詰め込めるVo.大森くんに感服です。
無償の愛とやらは本当に存在するのだろうか…?と疑ってしまいそうになる歌詞でした。
2番:歌詞の意味
まずは冒頭2番Aメロ部分の歌詞から。
しらばっくれることで
本当の答えから逃げれたような気がしたんだ
朝焼けはいつだって 切ないこの胸を
満たしてくれようと輝いたんだ
ここで歌われる<しらばっくれる>とは、1番Aメロで歌われた<嘘にすること>と同じ様な意味を持つ言葉になります。
主人公は自分の心に嘘を付き、知っていることでも知らないフリをしたり、その場に合わせた答えを無理やり作ってみたりしてきたようなのですが、それは、目の前にいる人たちと良好な関係を築く為だったのだと歌っているのです。
しかし、そうやって表面上では良い関係が築けたとしても、主人公の心の内はいつも切なさで一杯になっていたのかもしれません。
ありのままの自分でいられないということは、この上なく苦しいことであり、それは人間にとっての毒なのだと思います。
冒頭で少し触れた通り、この曲のタイトルにある”アネモネ”は毒を持った花なのですが、それはまさに、自分の心に嘘を付いている人間の事を表現しているのではないでしょうか。
そしてそんな毒を持った心を癒やしてくれるのは他の誰でもなく、朝焼けのようにいつも決まって自分を照らしてくれるような存在だけなのです。
続く2番Bメロの歌詞。
全員一致で拳を掲げ
幸せだと言えるかな
いつになったら「幸せ」の意味に気づくの
そんな私だって 時折
ここで歌われるのは1番Bメロと同様に、主人公の包み隠すことのない<本当の気持ち>になります。
周りの幸せそうな人たちは果たして本当に幸せなのだろうかと、疑問を抱いているのです。
おそらくその答えはノーであり、<いつになったら「幸せ」の意味に気づくの>という言葉からは、主人公の少し達観したものの見方が伝わってきます。
この言葉だけを抜き取ると、少し上からものを言われているようにも感じるかもしれませんが、実は主人公自身も「幸せ」の意味について悩み苦しむことがあるのだということが歌われているのです。
幸せとは一体何なのか?という疑問は、命尽きるまでつきまとうものなのかもしれません。
それは虚しく切ない事実でもあるのですが、それこそが人間という生き物なのだということを、Vo.大森くんが教えてくれているようにも感じられます。
そして2番サビの歌詞がこちら。
全部全部 月灯りに照らされ
嘘をついたことがバレていくんだ
ごめんね 全部は受け入れられないな
柔弱な愛で守りぬくから
綺麗なその瞳を潤わせていてよ
この日々がいつまでも続けばな
生きづらいこの日々達が続けばな
自分の心に嘘をつくことで、なんとか人と上手く関係性を築いてきた主人公でしたが、やがてその嘘は自分の心に切なさを感じさせるだけではなく、周りからもその嘘がバレてしまうことになります。
その事実が示しているのは、この世界で何一つしがらみの無い人生を送ることは不可能なのだ、ということなのかもしれません。
どんなに優しい心を持ってしてもどんなに愛情深い人であっても、そこに完全無欠は存在せず、皆それぞれが様々な事情を抱えて生きているのです。
しかし、そうやって悩み苦しむことができるのは、大切な人の存在があるからこそのことなのだと思います。
守りたい人や仲良くなりたい人など、一緒にいたいと思える存在が居るからこそ人は悩み苦しむことになるのではないでしょうか。
だからこそこのパートでは「生きづらいこの日々が続けばな」と歌われるのだと思います。
生きづらい日々が続いているということは、自分が大切に思っている存在がいるということの裏返しでもあり、それは何よりも幸せなことなのです。
生きづらさを抱えながらも、なんとか大切な人を守り抜こうと奮闘する物語こそが、人生というものなのかもしれません。
(ラスサビの歌詞は1,2番サビの歌詞とほぼ同様になるので割愛します)
ぜひ歌詞の意味にも注目しながら、この曲『月とアネモネ』を聴いてみて下さい!
何度聴いても切ない歌詞が心に染み渡るはずです。
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