Mrs. GREEN APPLE（ミセス）『SimPle』の歌詞とその意味＆魅力について解説していきます。
この曲は、1stオリジナルアルバム『TWELVE』の9曲目に収録された楽曲。
アルバム収録曲の中で１番最後に書き下ろされた曲だそうで、作詞作曲を手掛けたVo.大森くん曰く、『TWELVE』の核となる楽曲であるとのこと。
その裏にあるメッセージは、タイトル通りとてもシンプルだけれども大切なもの。
この記事では、そのメッセージを１つづつ紐解いていきたいと思います。
Mrs. GREEN APPLE（ミセス）公式Instagramの投稿から。
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後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください！
それでは早速『SimPle』の歌詞紹介から書いていきます。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
動画解説：『SimPle』歌詞考察してみた
このブログの内容は下記の動画でも解説中！
Mrs. GREEN APPLE『SimPle』歌詞
歌手：Mrs. GREEN APPLE
作詞：大森元貴
作曲：大森元貴
収録：1stアルバム『TWELVE』
発売日：2016年1月13日（水）
我儘ルサンチマン
あのベンチは空けておいたよ
巡り合わせってホントにあったねって 笑って
平然としてないで 熱を抱き
無償に愛して
君のステージの用意はもう済んだよ
意味はないけど
誰かに構って欲しくて
綺麗じゃないけど
嘘で塗り固めて
無常を唄っても 誰も気付けなくて
君や娯楽を唄ってもまだ届いてなかった
明日になって君想って
明後日になったら愛を唄うから
シンプルに シンプルに
受け取ってくれて構わない
手を繋いで輪になって
温もりを感じる事が出来るなら
シンプルに ただシンプルに
この世は終わっちゃなんかいない
君とスワンプマン
バグパイプ吹いて 軽快に踊って
大切な身体を傷つけないで
ねえ 笑って
偽りの瞳で 誰を愛すの？
誰が愛すの？
僕が見たいのは 流される君じゃない
意味はないけど
似通ったフレーズです
価値がないものに
囚われる今日です
無常を唄ったよ 形は崩れて
君や変化も愛したよ その先が見たかった
今日は今日の風が吹いて
雨にも打たれたりするけど
シンプルに シンプルに
凹んでもいいと思うんだ
手を繋いで輪になって
虚しさを感じる事が出来るなら
シンプルに ただシンプルに
この世は終わっちゃなんかいけない
明日になって君想って
明後日になったら愛を唄うから
シンプルに シンプルに
受け取ってくれて構わない
手を繋いで輪になって
温もりを感じる事が出来るなら
シンプルに ただシンプルに
この世は終わっちゃなんかいない
悩みの種もいつだってシンプルだ
シンプルだ
『SimPle』歌詞の意味＆魅力
この曲『SimPle』で歌われているテーマを端的にまとめると、身の回りにある全てのモノは、自分が思っている以上にシンプルに出来ているのだということ。
自分を取り巻く悩みや課題や人間関係など、その全てが意外にもシンプルに構成されているのです。
それらを複雑にしているのは、もしかすると自分自身の感情や態度なのかもしれません。
この曲では、リスナーにそんな事実を突きつけると同時に、その上で「じゃあどう動くのか？」という問いが投げかけられます。
実は何事もそんなに難しく考える必要はないのだと、前向きに楽しく生きるヒントを授けてくれるのです。
公式音源の紹介
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番：歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞から。
我儘ルサンチマン
あのベンチは空けておいたよ
巡り合わせってホントにあったねって 笑って
平然としてないで 熱を抱き
無償に愛して
君のステージの用意はもう済んだよ
冒頭部分に登場する＜ルサンチマン＞とは、元々フランス語の言葉で、弱者が強者に対して抱く『恨み』や『嫉妬心』のことになります。
いつもベンチに座るのは強者の人たちであり、弱者の自分はいつもそこに座ることができない。そんな情景が、強者と弱者の関係性を表しているのではないでしょうか。
その状況に対して、多くの場合弱者は対抗心を燃やすのですが、彼らはあたかも平然を装いながら心の中で恨みつらみを溜め込んでいるのです。
この曲ではそんな人たちのことを『我儘だ』と歌います。少し尖った言い方をすると『素直じゃない』『器が小さい』という言葉にも置き換えられるかもしれません。
それはまさに、作詞作曲を手掛けたVo.大森くんの率直な思いなのだと思います。
そして、そんな彼らに対して「もっとその嫉妬心を表現すればいい」「今の自分を無償に愛してほしい」と伝えるのです。
妬ましく思える強者の人は、皆が思っている以上に大きな器を持った人たちであり、素直に向き合うことができれば、きっと心通わす事ができるはずなのだと。
＜あのベンチは空けておいたよ＞＜君のステージの用意はもう済んだよ＞という言葉は、そんな現実を象徴しているのではないでしょうか。
続く1番Bメロの歌詞。
意味はないけど
誰かに構って欲しくて
綺麗じゃないけど
嘘で塗り固めて
無常を唄っても 誰も気付けなくて
君や娯楽を唄ってもまだ届いてなかった
特に理由はないけれど、誰かに構って欲しくなるときが誰にでもあると思います。
そんなとき、多くの人は真っ直ぐにその気持ちを伝えるのではなく、それっぽい理由を作り、嘘で塗り固められた言葉で人の気を引こうとするのです。
しかし、その言葉がどんなに儚いものでも、どんなに君への想いを乗せたものでも、そうやって作られた言葉は誰の心にも響かないのだということが歌われています。
そして1番サビの歌詞がこちら。
明日になって君想って
明後日になったら愛を唄うから
シンプルに シンプルに
受け取ってくれて構わない
手を繋いで輪になって
温もりを感じる事が出来るなら
シンプルに ただシンプルに
この世は終わっちゃなんかいない
このパートで歌われるのは、この世界はシンプルに出来ているのだという事実。
そして、何事もシンプルに感じ取ったり伝えたりすればいいのだということ。
AメロBメロ部分で歌われたように、多くの人は物事を複雑に捉えて、ありのままの心を隠す傾向にありますが、そんな必要はないのだと教えてくれています。
何かと理由をつけて愛を伝える必要も無ければ、愛を感じる為にあれこれ相手を詮索する必要もありません。
ありのままの気持ちを伝え、ありのままに手を繋ぐことができれば、思っている以上に簡単に人の温もりに触れることができるのです。
ここで歌われる＜シンプル＞とは、『素直さ』や『真っ直ぐさ』のことであり、それさえ大切にすることができれば、この世界も捨てたもんじゃないなと思えるのかもしれません。
だからこそきっと、Vo.大森くんは冒頭部分の歌詞で『我儘だ』と歌ったのだと思います。
2番：歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞。
君とスワンプマン
バグパイプ吹いて 軽快に踊って
大切な身体を傷つけないで
ねえ 笑って
偽りの瞳で 誰を愛すの？
誰が愛すの？
僕が見たいのは 流される君じゃない
冒頭部分に登場する＜スワンプマン＞とは、アメリカの哲学者が考案した思考実験のこと。
その実験について簡単にまとめて説明すると、自分という存在と、自分に限りなく似た人物（全く同じ見た目や記憶を持つ）が存在した場合に、そのどちらもが同一の人物と言えるのかどうか？という思考実験になります。
『私とは何か』というアイデンティティーの問題を考える際に用いられる実験なのですが、曲中での意味合いは”偽りの自分”というようなところでしょうか。
ここでは事ある毎に偽りの自分を演じて生きる人たちに対して、問題提起をしていきます。
偽りの自分で、人を心から愛することが出来るのだろうかと。
偽りの自分のことを誰が愛してくれるのだろうかと。
その答えはどちらもNOなのです。
Vo.大森くんは、周りに流されながらフラフラと生きる人ではなく、ありのままの自分をシンプルに表現できる人たちと共に過ごしたいのだと、訴えかけているのだと思います。
続く2番Bメロ部分の歌詞。
意味はないけど
似通ったフレーズです
価値がないものに
囚われる今日です
無常を唄ったよ 形は崩れて
君や変化も愛したよ その先が見たかった
＜意味はないけど似通ったフレーズ＞とは＜価値がないもの＞を象徴した言葉であり、人はそんなものに振り回されながら生きているのだと歌われます。
周りからの様々な言葉に惑わされ、あれこれと詮索をしながら、自分自身を気づかぬ内に縛り付けていくのです。
多くの人は、複雑に考えなければ生きていけないと思っているようだけれども、物事は自分が思っている以上に単純で、そこまでする必要はないのかもしれません。
ありのままの君を皆は愛するし、もし君が変化したとしても変わらず愛するのだと、優しく教えてくれているのだと思います。
そして2番サビの歌詞がこちら。
今日は今日の風が吹いて
雨にも打たれたりするけど
シンプルに シンプルに
凹んでもいいと思うんだ
手を繋いで輪になって
虚しさを感じる事が出来るなら
シンプルに ただシンプルに
この世は終わっちゃなんかいけない
1番サビの歌詞と同様に、このパートでも、この世界は皆が思っている以上にシンプルに出来ているのだという事実が歌われます。
嬉しいことがあれば悲しいこともあるし、楽しいことがあれば苦しいこともあるけれど、いつだってその時どきの感情を素直に受け入れていけばいいのだと教えてくれているのです。
凹んだときは、側にいる人とただ手を繋いで虚しさを共有すればいいのかもしれません。
どんなに辛いときも、その感情に真っ直ぐに向き合うことさえできれば、きっとこの世界は自分の味方をしてくれるはずなのです。
このパートを通してVo.大森くんは、この世界を幸せに生き抜く術を、僕たちリスナーに授けてくれているのではないでしょうか。
その後ラスサビの歌詞が続きますが、1番サビと同様の歌詞になるので割愛します。
そしてラストはこのフレーズで終わります。
悩みの種もいつだってシンプルだ
シンプルだ
多くの人が思い悩んでいるコトは、ほとんどの場合シンプルで簡単なものなのだと、最後に念を押すように改めて歌われます。
いつだってシンプルに考えよう！
それさえできれば、きっともっと、明るく前向きな人生を送ることが出来るはずなのです。
ぜひ歌詞の意味にも注目して、この曲『SimPle』を聴いてみて下さい！
あらゆるものが複雑に絡まりあっているように見えるこの世界の中で、より幸せに生きるためのヒントが見つかるかもしれません。
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