Mrs. GREEN APPLE（ミセス）『Attitude』の歌詞とその意味＆魅力について解説していきます。
4thオリジナルアルバム『Attitude』の表題曲として収録された一曲です。
この世界はまだまだ捨てたもんじゃないんだと、本気で信じられる世の中であってほしい。
いつまでも、そう心から歌わせてくれる世の中であってほしい。
そんな心の叫びが歌われる一曲となっています。
後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください！
それでは早速『Attitude』の歌詞から紹介します。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
動画解説：『Attitude』歌詞考察してみた
このブログの内容は下記の動画でも解説中！
Mrs. GREEN APPLE『Attitude』歌詞
歌手：Mrs. GREEN APPLE
作詞：大森元貴
作曲：大森元貴
収録：4thアルバム『Attitude』
発売日：2019年10月2日（水）
あぁ、どうか いつか
僕の我儘が終わるまで
どうにか届くように 届くようにと綴る
でもやっぱり100は無理
ちょっと「あむり」で終わり
「弱い人ばっか居ます」
この世は弱い人ばっか居ます。
そんなとこだけでも
何処かに響けば良いなと思っています
まずメロディーに乗せる愛を探しながら
阿呆みたいに今日もね
何かを信じて心躍らすのが
A.t.Ti.Tude
私のA.t.Ti.Tude
キャッチーなメロディーに隠れるは
そう、偶像
どうにか眠れる様に 眠れる様に目を瞑る
ただ白馬に跨る僕
似合わぬ僕。
でも満悦。
「腐ってなんかは居ない」
この世は腐ってなんかは居ない。
そんなことだけでも
何処かで報われた気がして過ごせています
益々生きにくい日々慣れれず削りながら
真面目にも今日もね
明日を信じて歯を食いしばるのが
A.t.Ti.Tude
あなたはアーティスト中毒
産み落とした子達は
私のそう、心臓
夢から覚めて魔法はね
いつか解けるの
しがみ付く事なく
誰かとね 愛し愛されて死にたいの
エゴイズム、軽快なリズム
エゴイズム、ご機嫌取らずに済む
パシフィズム、リベラリズム
ペシミズム、ヒューマニズム
太陽が不意に亡くなって
独りぼっちになったなら貴方を追う
「弱い人ばっか居ます」
この世は弱い人ばっか居ます。
平気なふりをして隠れてるわ
きっと。
「腐ってなんかは居ない」
この世は腐ってなんかは居ない。
どうかそんな歌を歌わせてよ
ずっと
書き綴られた歌は
私のそう、遺言
『Attitude』歌詞の意味
この曲のタイトル『Attitude』とは、“態度”や”心構え”という意味になります。
その言葉の通り、作詞作曲を手掛けたボーカル大森くんの音楽に対しての向き合い方や人間としての在り方がリアルに描かれた楽曲です。
歌詞に登場する”キャッチーなメロディーに隠れるはそう、偶像”という言葉が示す様に、世の中の本質を捉えた深い歌詞が、キャッチーで爽快なメロディに乗せられて歌われます。
これまで、そしてこれから先に生まれる楽曲たちは全て、大森元貴という人間の遺書なのだと。それだけ真っ直ぐに魂を込めたものなのだと。
わがままかもしれないけれど、そうやって自分の中にある考えや思いを伝え続けていくのだ！という決意が、この上ないほど力強く歌われた名曲です。
公式MVの紹介
こちらがYouTubeに投稿されている『Attitude』公式MV。
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番：歌詞の意味
まずは冒頭イントロ部分から。
あぁ、どうか いつか
僕の我儘が終わるまで
僕のわがまま。
＜僕＞とはこの曲の主人公である大森くんのことで、＜わがまま＞とは”自分の考えや思いを音楽に乗せて歌い続けていること”のこと。
つまり、大森くん（ミセス）が曲を書いて歌って多くの人に届けようとするその行為自体をを”わがまま”として捉えているのです。
どうかそのわがままを許してほしい。
そんなメッセージが隠されているのだと思います。
続く1番Aメロの歌詞。
どうにか届くように 届くようにと綴る
でもやっぱり100は無理
ちょっと「あむり」で終わり
どうにか、自分の思いや考えを真っ直ぐに届けたい。
届くようにと歌詞を綴りメロディに乗せるけれど、思いを100%ありのままに伝えきるのは難しいことなのだと実感しているのだと思います。
自分の思いをそのままのカタチで伝えたいのに、どこかでカタチが変わってしまう。
その繰り返しの中で、主人公の大森くんは何度も心が折れそうになっているのかもしれません。もしかしたら、一生届けることはできないのかもしれないとまで感じてしまうのです。
1番Bメロの歌詞がこちら。
「弱い人ばっか居ます」
この世は弱い人ばっか居ます。
そんなとこだけでも
何処かに響けば良いなと思っています
この世界には弱い人ばかり居るのだと歌われます。強そうに見えるあの人もかっこよく見えるあの人も、実は心の奥には弱さを抱えている人間なのだということ。
弱いのは自分ひとりだけじゃないのだということ。
そんなことだけでも伝わればいいなと、主人公大森くんは思うのです。
きっとそれだけでも、救われる人がたくさんいるはずだから。
きっとそれだけでももっと優しい世界に近づくはずだから。
どこかの誰かの心に、少しでも響けばいいなと心から願いながら、日々曲を書いているのだと思います。
そして1番サビの歌詞。
まずメロディーに乗せる愛を探しながら
阿呆みたいに今日もね
何かを信じて心躍らすのが
A.t.Ti.Tude
私のA.t.Ti.Tude
キャッチーなメロディーに隠れるは
そう、偶像
ミセスはこれまで何度も”愛”の存在と、その愛おしさについて歌ってきました。
周りの人たちからするとアホだなと思われるほどに、何かを信じて追求するのが大森くんのスタイル。その1つが”愛”という存在についてなのかもしれません。
そうやって深く深く考えて心躍らせた先に生まれる、大森元貴（ミセス）の価値観をメロディーに乗せて皆に届けているのでしょう。
しかしその価値観は、真っ直ぐに届けようとしても中々思い通りにはいかないもの。
実はキャッチーなメロディーの裏にこそ、楽曲の本質がひっそりと隠れているのですが、その事実に気付いてもらえずにいるもどかしさがあるのだと思います。
そんな現状に、少しやるせなさを感じている大森くんがいるのです。
2番：歌詞の意味
2番Aメロの歌詞から。
どうにか眠れる様に 眠れる様に目を瞑る
ただ白馬に跨る僕
似合わぬ僕。
でも満悦。
＜どうにか眠れる様に＞というフレーズには、”どうにか理想の世界になるように”という意味が込められているように思えます。
自分の思いや考えを、どうにか真っ直ぐに伝えたい。それが100%伝わったときに初めて、大森くんのわがまま（楽曲制作）が終わるのかもしれません。
ただそのためには、白馬にまたがった王子様のように見た目をきれいに整えて、かっこよく美しくならないといけないのです。
そうやって綺麗に整った姿でないと、僕の言葉が多くの人に届くことはないから。
だからこそ伝えたい思いをキャッチーなメロディーでコーティングする。
だからこそ綺麗なジャケット写真を用意して、カッコイイMVを制作する。
しかしそうやって作品を創り上げて歌うことに対して、心のどこかでは”自分の性には合っていないな”と感じているのかもしれません。
しかしそうは言っても、なんだかんだ満足げな自分もちらついている。
そんな葛藤の中を主人公大森くんは生きているのです。
続く2番Bメロの歌詞。
「腐ってなんかは居ない」
この世は腐ってなんかは居ない。
そんなことだけでも
何処かで報われた気がして過ごせています
この世界は腐ってなんかいない。
この世界に生きていれば、憎しみや苦しみ、嫌なことや辛いことにもぶつかるかもしれない。もしかしたらこの理不尽な世の中を恨んだりするかもしれない。
それでもこの世界には、まだまだ美しい部分だってあるのだと。
もっと良い部分にも光を当ててみると、この世界はまだまだ捨てたもんじゃないのだと。
大森くんはそう強く信じて生きているのだと思います。
そう信じることで、
歌を歌い続けてきたこれまでの人生を、少し肯定出来るような気がするのです。
そして2番サビの歌詞がこちら。
益々生きにくい日々慣れれず削りながら
真面目にも今日もね
明日を信じて歯を食いしばるのが
A.t.Ti.Tude
あなたはアーティスト中毒
産み落とした子達は
私のそう、心臓
どれだけ心の声を歌い続けても、益々生きにくい世界になっていく現実に心削られる毎日。
それでも明日は、明日こそはもっと良い世界がやってくるのだと信じて歯を食いしばる。
そうやって真面目に今日も歌い続けるのが、大森くんの生き方なのです。
“産み落とした子達”とは、これまでにミセスが発表してきた作品のことだと思います。
それは嘘偽りのない大森くん（ミセス）そのものの声であり、心臓とも言えるほどに大森元貴という人間の全てが詰まっているものなのです。
これまでもこれからも、その態度を変えることはないのだということを、力強く訴えかけているようにも聞こえてきます。
その後Cメロの歌詞が続きます。
夢から覚めて魔法はね
いつか解けるの
しがみ付く事なく
誰かとね 愛し愛されて死にたいの
エゴイズム、軽快なリズム
エゴイズム、ご機嫌取らずに済む
パシフィズム、リベラリズム
ペシミズム、ヒューマニズム
太陽が不意に亡くなって
独りぼっちになったなら貴方を追う
どれだけ理想を唱えたとしても、いつかは現実を受け入れなければならないときが来ることに気が付いている主人公。
そのときは”素直に受け入れよう”と言っているのです。
そして、誰かと心から愛し愛されて死んでいきたいと歌います。
どこまでも理想的でありながらどこまでも現実的でもあるのが、主人公大森くんの在り方なのかもしれません。
限りある命を全うし、胸いっぱいの”愛”を抱きしめながら死んでいく。
それが大森くんの死生観なのではないでしょうか。
この世界には本当に色々な人たちが思い思いに生きています。
自己中心的な態度を取る利己主義者や暴力を否定する平和主義者、個人の権利を尊重する自由主義者から人間性を第一に尊重する人文主義者まで。
たとえば冒頭で歌われた大森くんの”わがまま”は、利己主義的な考え方に近い気がします。
人は色々な思想や考え方をまたがりながら生きる生き物であり、その生き方に正解も不正解もありません。
しかしそんな世界に生きる人間たちにも、たった1つだけ共通するものがある。
それこそが”孤独”を嫌い”愛”を求める心であり、誰しもに共通する不変の真理なのだと。
だからこそ、もし僕の命の火が消えて孤独になってしまったら、その寂しさを埋めるために誰かを追い求めるだろうと歌っているのだと思います。
そしてラスサビの歌詞がこちら。
まずは前半部分から。
「弱い人ばっか居ます」
この世は弱い人ばっか居ます。
平気なふりをして隠れてるわ
きっと。
この世界には弱い人ばかり居るのだと繰り返し歌われます。
強そうに見えるあの人もかっこよく見えるあの人も、実は心の奥には弱さを抱えている人間なのだと、弱いのは自分ひとりだけじゃないのだと。
バレないように気付かれないように平気なふりをしているだけで、本当は心の奥で孤独や恐怖に怯えている人たちはたくさんいるはずなのだと。
そう考えることができれば、自分の悩みや苦しみが少し軽くなるかもしれません。
そんな事実に気づいてほしいなと、主人公大森くんは願っているのではないでしょうか。
そして後半部分の歌詞がこちら。
「腐ってなんかは居ない」
この世は腐ってなんかは居ない。
どうかそんな歌を歌わせてよ
ずっと
書き綴られた歌は
私のそう、遺言
この世界は腐ってなんかいない。
いつまでも、そう心から歌わせてくれる世の中であってほしい。
この世界はまだまだ捨てたもんじゃないのだと、本気で信じられる世の中であってほしい。
それが主人公大森くんの心からの願いであり、それが僕の＜遺言＞なのだと。
最後の一言からは、
大森くんの覚悟と魂の叫びが感じられます。
ぜひ歌詞の意味を心に刻みながら、この曲『Attitude』を聴いてみて下さい！
大森元貴（ミセス）という人間から見えている世界、そしてその中で抱える心の葛藤がリアルに描かれた名曲です。
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