Mrs. GREEN APPLE

Mrs. GREEN APPLE『ア・プリオリ』歌詞【意味&考察】大森元貴が歌う攻撃的で皮肉たっぷりの一曲

Mrs. GREEN APPLE『ア・プリオリ』歌詞【意味&解釈】|大森元貴が歌う攻撃的で皮肉たっぷりの一曲

Mrs. GREEN APPLE(ミセス)『ア・プリオリ』の歌詞とその意味&魅力について解説していきます。

この曲は、7thシングル『青と夏』の3曲目に収録された楽曲です。

人は往々にして他人に期待してしまう生き物ですが、そんな人間の習性に対して警鐘を鳴らすような歌詞が並べられていきます。しかし、どんなに警告しても多くの人は聞く耳を持ちません

そんな人たちに対して”あれだけ言ったのにバカね”と言い捨てるのですが、それは自分自身に対するブーメランでもあるのです

驚くほどに攻撃的で皮肉がたっぷり込められたミセスらしい一曲となっています

 

Mrs. GREEN APPLE(ミセス)公式Instagramの投稿から。

 

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後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください!

 

それでは早速『ア・プリオリ』の歌詞紹介から書いていきます。

あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。

 

動画解説:『ア・プリオリ』歌詞考察してみた

このブログの内容は下記の動画でも解説中!

Mrs. GREEN APPLE『ア・プリオリ』歌詞

楽曲情報

歌手:Mrs. GREEN APPLE
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
収録:7thシングル『青と夏』
発売日:2018年8月1日(水)

あれだけ言ったのにバカね
期待をしたら惨めなだけと

 

ねえ
君はなんでそんな
楽しそうに生きられるの?
人気者なのね
広く浅いの代名詞ね
求められてる人を妬ましく思う
“私”は哀れ
ホント哀れ

 

あれだけ言ったのにバカね
期待をしたら傷つくだけと
あれだけ言ったのにまた、ね
繰り返す意味
産まれた不思議

 

味を占めたのかしら
あらもう、そのモードで
聞く耳を持つこと忘れた大人
偉いもんね。
偉いもんね?

 

付け上がらないで
地に足つけてね
「誰のせいだ!」
とか聞き飽きた

 

君が言うその考えは
誰かのものね
恥さらし者ね
「ホントの自分で居ると腐っちゃいそうです」
って、もう臭うんだよね。

 

悪い人ではなく弱い人
その違いが君には解るかな
虚しさの中で溺れる世は
こんな歌をまだ唄わせる

 

あれだけ言ったのにバカね
期待をしたら惨めなだけと
あれだけ言ったのにまた、ね
皮肉にもただ君に恋をする

 

あれだけ言ったのにバカね
汚い窓で何を眺める?
人の心はいつの時代も何かが足りない
諦めそうだ

 

あれだけ言ったのにバカね
まだ信じて居るなんて

 

『ア・プリオリ』歌詞の意味&魅力

この曲のタイトルである『アプリオリとは、認識論において用いられる哲学的な言葉であり、簡単に言ってしまえば”経験から独立した認識“という意味になります

つまりそれは、必然的であり普遍的であり経験によって否定されることがないもの

例を挙げるのであれば「1+1=2」というような変わることのない事実のことを、アプリオリな認識と呼ぶのです。

これはプロイセン王国の哲学者であり、近代哲学の祖と呼ばれるイマヌエル・カントによって定義づけられたものになります。

厳密にこの言葉の意味を突き詰めていくためにはもっと深く考える必要があるのですが、歌詞考察をする上ではこのような認識を持っていただければ十分です

この曲においてはきっと、
変わることのない人間の性格のことを『アプリオリな性格』と表現しているのでしょう

公式音源の紹介

こちらがiTunesで公開されている『ア・プリオリ』公式音源。

 

ここからは歌詞解説をしていきます

1番:歌詞の意味

この曲は頭サビから始まります。

あれだけ言ったのにバカね
期待をしたら惨めなだけと

“あれだけ言ったのにバカね”というフレーズはこの曲で何度も繰り返される言葉。『ア・プリオリ』はこのフレーズを核にして構成されています。

ここで歌われる”バカ”とは、主人公の助言を無視して突き進む人たちのこと

主人公(Vo.大森くん)はこれまで何度も「誰か(何か)に期待しても最後は惨めになるだけだ」と助言していたのでしょう。それなのに多くの人は助言を無視して突き進み、主人公が言った通りの結末を迎えて傷つくのです

あれだけ言ったのになぜそうなるのかと、主人公は呆れているのでしょう

 

続く1番Aメロの歌詞。

ねえ
君はなんでそんな
楽しそうに生きられるの?
人気者なのね
広く浅いの代名詞ね
求められてる人を妬ましく思う
“私”は哀れ
ホント哀れ

このパートでは、自分のことを分かってもらえない寂しさや苦しさが表現されています

主人公は能天気に楽しそうに生きている人たちのことを妬ましく思っている様子

君みたいな生き方をしている人はさぞ人気者なのでしょうねと、皮肉たっぷりに言い放つのです。続く”広く浅いの代名詞”という言葉も皮肉がたっぷり込められた言葉になります。

君みたいな人は中身スカスカなくせに、なぜそんなに人気者なのかと。薄っぺらい繋がりだらけで深く分かり合えるような人は居ないのだろうけどねと。チクチクと攻撃するのです

中身の無い人間は人気者になれるのに、深く思考を巡らして本質的なことを突き詰めている自分は求められないという現実に苦しんでいるのかもしれません

能天気な人を前にすると自分のことが哀れに思えてくるのです

 

そして1番サビの歌詞がこちら。

あれだけ言ったのにバカね
期待をしたら傷つくだけと
あれだけ言ったのにまた、ね
繰り返す意味
産まれた不思議

冒頭部分で主人公の助言を無視して惨めな思いをした君は、その経験から学びを得るのかと思いきや、またも同じように他人に期待をして傷つくのです。

これまでも幾度となく助言してきたのに、やっぱり君はまた同じことを繰り返している

主人公にはそんな君の行動が理解できないのでしょう

なぜ忠告を無視するのか。なぜ同じ過ちを繰り返すのか不思議でしょうがないのです

そんな君の『アプリオリな性格』に嘆く主人公の姿が描かれています。

 

 

2番:歌詞の意味

まずは2番Aメロの歌詞から。

味を占めたのかしら
あらもう、そのモードで
聞く耳を持つこと忘れた大人
偉いもんね。
偉いもんね?

ここで描かれるのは肩書だけが偉いだけで頭の固い大人たちへの批判

彼ら彼女らは、地位が高くなり何もかもが自分の思い通りに進むようになった瞬間に、他人の言葉に聞く耳を持たなくなるのでしょう

そんな大人たちに対して、偉いから正しいんですね、偉いから人の助言を聞き入れなくてもいいんですねと皮肉たっぷりに言い放ちます

しかし主人公に言わせてみればそんなことありえないのです。

むしろあなた達のような頭の固い大人がいるから、この世界にはびこる誤ちが正されないのだと感じているのでしょう

 

続く2番Bメロの歌詞。

付け上がらないで
地に足つけてね
「誰のせいだ!」
とか聞き飽きた

他人の言葉に聞く耳持たない人たちに対し、勘違いして調子に乗らないようにねと、おごり高ぶるのはそろそろ辞めにして地に足をつけようねと、皮肉を込めた言葉を投げつけます。

人の意見に一切耳を傾けない人に限って、上手くいかないときは「誰のせいだ!」と人に責任を押し付けるのです

そんな状況にうんざりする主人公の姿が描かれています

 

そして2番サビの歌詞がこちら。

君が言うその考えは
誰かのものね
恥さらし者ね
「ホントの自分で居ると腐っちゃいそうです」
って、もう臭うんだよね。

このパートではこれまで以上に言葉を荒げ、頭の固い人たちを痛烈に批判していきます。

他人の助言を無視して自分の意見を突き通す人たちの持論は、大抵の場合誰かの受け売りでしょうと皮肉るのです。

どこかで聞いた言葉や論理を自分で噛み砕くこともせず、さも自分が偉くなったかのように振る舞う姿は恥晒し以外の何物でもないんだよと

そうやって武装しなければ「自分の無能がバレちゃう」とか何とか思っているようだけど、そもそも隠しきれてないんだよと、徹底的にぶった切っていきます

ここまでくると、ぶった切られた側も爽快になれるほどですよね

 

その後Cメロの歌詞が続きます。

悪い人ではなく弱い人
その違いが君には解るかな
虚しさの中で溺れる世は
こんな歌をまだ唄わせる

ここで歌われる”悪い人”と”弱い人”という言葉は、”いざその言葉の違いを説明しようとすると難しいもの”の象徴として使われているような気がします

そして”その違いが君には解るかな”というフレーズは反語表現であり、”君には解るはず無いよね”という意味なのでしょう

普段から物事を深く考えることをしない人には解りっこないのだと、ここでもまた遠回しに皮肉をたっぷり詰め込んでいるのです

そんな人たちが溢れかえる世の中だからいつまでもこんな歌を唄わなければならない。

しかし主人公である大森くん自身、本当はこんなこと言いたくないのでしょう

こんな歌を唄わずに済む世の中になればどれだけ素晴らしいものかと憂いているのです

 

そしてラスサビの歌詞。

まずは前半部分から。

あれだけ言ったのにバカね
期待をしたら惨めなだけと
あれだけ言ったのにまた、ね
皮肉にもただ君に恋をする

結局どんなに主人公が助言をしても無視する人はいつまでも無視し続けます。

その態度は何度失敗を経験しても変わることはなく、まさに『アプリオリ』なもの

一生能天気に生き続けるのでしょう。

あれこれ深く考え生き辛さを感じている主人公を横目に、のうのうと楽しそうに生きる人たちに主人公は呆れ果てているのですが、実は同時にそんな人たちのことを羨ましく思ってしまう主人公もどこかに存在するのです

なんとも皮肉なものですよね

 

そしてラスサビ後半部分の歌詞。

あれだけ言ったのにバカね
汚い窓で何を眺める?
人の心はいつの時代も何かが足りない
諦めそうだ

ここで歌われる”汚い窓”という言葉は、先を見通すことの出来ない世の中のことを表現した言葉のように感じられます。そんな世界に何を期待しても無駄なのに、人は皆何を期待しているのかと皮肉を交えて歌うのです。

人間という生き物はいつの時代も、
心のどこかにすっぽりと穴を開けているのでしょう。

しかし、多くの人はその心の穴を自力で埋めようとはしません

その穴を埋めるために人は他人に期待をしてしまうのですもしかしたら”あの人”が自分の心の穴を埋めてくれるのではないかと思ってしまうのです

そしていつもその期待は裏切られ惨めな気持ちになる。

それは主人公自身も例外ではありません
どんなに助言を繰り返しても聞く耳を持たない人たちを前にして、自分自身も心が折れそうなくらいに惨めな気持ちを味わっているのです

 

最後はこのフレーズで終わります。

あれだけ言ったのにバカね
まだ信じて居るなんて

いつまでも他人に必要以上に期待をしては裏切られるということを繰り返している”バカ”に対して、最後まで強い言葉で呆れた気持ちを表現しています。

しかしラストで歌われる”まだ信じて居るなんて”という言葉は、見方を変えると主人公が自分自身に言い聞かせているようにも捉えられそうです

何度助言をしてもまともに話を聞いてもらえない状況が続いているのに、それでも心のどこかでいつか考えが変わると信じて助言を辞めることができない主人公。

皮肉ですが、それもまた主人公自身の『アプリオリな性格』と言えるかもしれません

 

 

ぜひ歌詞の意味を胸に焼き付けながら、この曲『ア・プリオリ』を聴いてみて下さい!

この曲を聴いて抱く感情は人それぞれ違ってきそうです。

 

『ア・プリオリ』収録作品の購入はこちらから!

 

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