Mrs. GREEN APPLE

Mrs. GREEN APPLE『アポロドロス』歌詞【意味&考察】倒れてもまた走る心に火を灯す応援歌(ミセス)

Mrs. GREEN APPLE『アポロドロス』歌詞【意味&考察】倒れてもまた走る心に火を灯す応援歌(ミセス)

Mrs. GREEN APPLE(ミセス)『アポロドロス』の歌詞とその意味について考察していきます。

この曲は、テレビ朝日系列『2024スポーツ応援ソング』として書き下ろされた一曲。

苦しみや不安を抱えるすべての人に向けた応援歌であり、”期待×不安定”という誰もが抱える葛藤と前へ進む強さが歌い上げられます。

 

本記事では、歌詞に込められたメッセージをフレーズごとに丁寧に読み解き、楽曲全体を通じて伝わる深い意味を探っていくので、ぜひ最後までご覧ください!

あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。

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Mrs. GREEN APPLE『アポロドロス』歌詞

楽曲情報

歌手:Mrs. GREEN APPLE
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
収録:配信限定シングル『アポロドロス』
発売日:2024年7月3日(水)

辿り着く果てまで
苦しみは尽きぬけど
歓声に身を任せて
期待×不安定
望んで 突き抜けろ
広げた腕で待っている 今

 

記録を付けては体温
日差しを浴びていたいよ
嫌いにならないで
自分を退けないで

 

唯一無二の人になりたかった
あぁ 認めたくないな
褒められたかった

 

辿り着く果てなんて
あるかわからないけど
感性に身を任せて
不安を掛けないで
割って 突き抜けろ
張り詰めた身体が踊っている

 

綺麗な花もいいけど
傷をも誇れる花になろう

 

良い人なんかじゃないよ
怪我をした心は痛いよ
神様は何をしているの?
観ているの?

 

いつか おとぎ話のように
綺麗になってしまうのかな
血と汗が ただ

 

ゴールテープを探そう
輪になって語ろう
本当に我々は
遠回りする生き物

 

嫌気がさすよ 共々
灰になって空を舞おう
本当に神々は
私たちを試している

試している

 

いつの日にか
あの朝も
消えるんだろうか
その時が来るまでは。

 

綺麗な花もいいけど
傷をも誇れる花になろう
愛に満ちたこの日々に
何を残そう
そう 今こそ
生まれてきた意味を刻む時だ

 

『アポロドロス』歌詞の意味&楽曲背景

この曲『アポロドロス』は、競技の勝敗や記録更新のきらめきだけでなく、その裏にある血と汗、自己否定や承認欲求までを抱きとめる応援歌です

タイトルはギリシア神話の編纂で知られる著述家の名に由来し(アスリートの奮闘を”神々の試練”と重ねる視点とも響き合います)、楽曲は”ロックの推進力”と”オーケストラの広がり”という二部構成的なダイナミクスで「静」と「動」が描き分けられています。

メッセージの核は「傷をも誇れる花」としての自己肯定栄光の瞬間だけでなく遠回りや灰になるほど燃え尽きる日々をも美徳として刻み、今を生きる意味へと収束する楽曲です

『僕のこと』に通ずるものも感じます!

公式音源の紹介

公開されている公式音源がこちら。

 

ここからはフレーズごとに歌詞考察をしていきます

1番:歌詞の意味

この曲は頭サビから始まります。

辿り着く果てまで
苦しみは尽きぬけど
歓声に身を任せて
期待×不安定
望んで 突き抜けろ
広げた腕で待っている 今

冒頭から、まるで会場全体の空気を一気に吸い込むような勢いで始まります。

「辿り着く果て」という表現は、ゴールを”場所”ではなく”過程の終点”として捉えているのではないでしょうかつまり、「ゴールがまだ確定していなくても、今この瞬間を全力で走る」という能動的な姿勢がこの先に置かれているのだと思います

「歓声に身を任せて」は、観客の期待というプレッシャーを、重荷ではなく”追い風”に変える発想の転換ではないでしょうか。応援が時に負担になることもありますが、あえてその流れに身を委ねることで、他人のまなざしを自分を動かす力に変えているのかもしれません。

そして「期待×不安定」は、”期待”と”不安定”という相反する感情を、記号”×”で掛け合わせて表現した言葉遊び。期待が高まるほど、不安定さも同じように増していくという現実を、まるで掛け算のように描き出し、心理の高まりを一気に示しているように感じました

続く「望んで 突き抜けろ」は、外からの圧力に流されるのではなく、自分の意志であえて”不安定”を選び取る宣言のように聞こえます。

「広げた腕で待っている 今」という時間の指定も重要です。未来の栄光ではなく、”今”が両腕を広げて迎えてくれる。時間を擬人化し、その焦点を「到達後」ではなく「到達前」に置くことで、現在進行形の祝福を表現しているのではないでしょうか。

こうして楽曲の冒頭段階で、勝利だけを目的にする価値観から距離を置き、プロセスそのものを肯定する美学が打ち立てられているのだと思います

 

続く1番Aメロの歌詞。

記録を付けては体温
日差しを浴びていたいよ
嫌いにならないで
自分を退けないで

「記録」と「体温」を並べることで、数値で測れる成果と、肌で感じる実感が対比されます。スポーツの世界には”1/100秒”を争う厳密さがありますが、同時に人は身体に汗をかき、心臓は鼓動し、体温を持つ生き物であり、その時その時で曖昧な状態を生みます。

「日差しを浴びていたいよ」というフレーズは、生(ビオス)そのものを肯定する言葉であり、数字の影に隠れがちな”生き心地”への回帰を示しているように感じました

そして「嫌いにならないで/自分を退けないで」には、セルフコンパッション(自分への思いやり)の濃い響きがあります。勝負の世界では「弱さ」は切り捨てられがちですが、ここではまず、弱さを抱えた自分を守る言葉が置かれているのです

 

1番Bメロの歌詞。

唯一無二の人になりたかった
あぁ 認めたくないな
褒められたかった

このパートでは、承認欲求を真正面から描き出す率直さが際立ちます。

そしてそれを美化せず、「認めたくないな」という恥じらいごと開示しているのが、大森くんらしい言い回しではないでしょうか

ヒーロー像から入るのではなく、”人間味”から強さへたどり着く道筋が描かれています

 

そして1番サビの歌詞。

辿り着く果てなんて
あるかわからないけど
感性に身を任せて
不安を掛けないで
割って 突き抜けろ
張り詰めた身体が踊っている

「ゴールが”あるかも分からない”」という認識は、不確実性をあらかじめ受け入れる宣言であり、ここで提示される答えは、”感性に身を任せる”こと

理論的な計画や合理性を否定しているわけではなく、極限の場面で最後に頼りになるのは身体感覚(センス)だ、という競技者ならではの実感が響いてきます。

そして続く「不安を掛けないで/割って 突き抜けろ」は、不安を”上掛け”として外し、さらに”殻”として割るという触覚的な比喩。不安は、まとうことで自分を守る鎧である一方、同時に自由な動きを妨げる足かせにもなります。その二面性をもつ殻を、一気に砕き、突き抜けていくイメージを受け取りました

「張り詰めた身体が踊っている」は、緊張(張力)の極みから自由(ダンス)が生まれるという逆説ではないでしょうか。ここには、ロックの推進力とオーケストラの解放感が交互に作用する、気圧差のような構造が潜んでいるように感じました。

 

1番サビ後半の歌詞。

綺麗な花もいいけど
傷をも誇れる花になろう

このパートは楽曲の核となる名句「綺麗な花もいいけど/傷をも誇れる花になろう」という歌詞が歌われます。これは、美の定義そのものを塗り替える言葉

従来の「無傷=美」という価値観を覆し、「傷の履歴こそが美」という、勝敗を超えた新しい倫理観を提示しています。成績に記録されない敗退や挫折も、デザインの一部として身にまとうことを肯定するということ。

それは現代的な自己肯定の核心とも言えそうです。

 

2番:歌詞の意味

2番Aメロの歌詞。

良い人なんかじゃないよ
怪我をした心は痛いよ
神様は何をしているの?
観ているの?

ここで視点は一気に内面へと向かいます。

「良い人なんかじゃない」という言葉は、”善人であるべき”という社会的規範から距離を取る宣言のように聞こえました。勝負の場には嫉妬や焦りもある。この言葉は、聖人のように振る舞うことを拒むことで、理想像ではなく、具体的な一人の人間へと立ち返るきっかけになっています。

「心は痛いよ」は、感情をストレートに表すフレーズです。ここでは、心の痛みを身体の痛みとして感じるかのように表現し、精神的な苦しみを、手で触れられるような生々しい感覚として表しています。

続く「神様は何をしているの?/観ているの?」は、努力と報いの関係を問いかける古典的な祈りの形。この”観る”という行為には、「評価するのか」「ただ見守るのか」という揺らぎまで含まれており、最終的な結果論に回収されない”祈りの居場所”を探る意図が見えます。

自分の中の醜さを受け入れることは、他者の不完全さを許容する第一歩になりますこのパートがあることで、応援歌は単なる外向きの熱量だけで終わらず、ケアの倫理、つまり「人をありのままに支えるまなざし」を帯びるのです

 

2番Bメロの歌詞。

いつか おとぎ話のように
綺麗になってしまうのかな
血と汗が ただ

「おとぎ話」という言葉は、出来事を物語化し、美しく均してしまう装置のメタファーではないでしょうか。勝者の物語は、いつも後から”綺麗”に整えられます。しかし現実にあるのは「血と汗が ただ」という、一切の着飾りなどない、ありのままの事実です

ここでこの曲は、成功をロマンに変換することへの慎重さを求めているのではないでしょうか。

大森くんは、この場面であえて言い切ることはせずに、行を切り「血と汗が ただ」という余白を生んでいます。言葉を宙づりにすることで、聴き手の中に”流れる汗、滲む血、荒い呼吸”などの生々しい情景を浮かび上がらせてくれます。

こうして直接描かずに想像を促すこの”描写しない描写”こそ、スポーツの本質に深く迫る巧みさのように感じました

 

そしてCメロの歌詞が続きます。

ゴールテープを探そう
輪になって語ろう
本当に我々は
遠回りする生き物

嫌気がさすよ 共々
灰になって空を舞おう
本当に神々は
私たちを試している

試している

「ゴールテープを”探そう”」という表現からは、”切る”や”駆け込む”といった既定のゴールへの到達ではなく、まだ確定していないゴールを共に探し出そうとする姿勢を感じます

そして「輪になって語ろう」によって、競争から対話へとモードが切り替わります。勝敗を決する直線的な構造ではなく、輪(サークル)という合議的な形が提示されるのです。

「本当に我々は遠回りする生き物」からは、効率性に対する異議申し立てのようなものが感じられました。最短距離では得られない”寄り道”の学びを肯定し、「嫌気がさすよ 共々 灰になって空を舞おう」では、燃え尽き=ゼロではなく、灰化から上昇へと転じる比喩へ移行しています

灰は残りカスであると同時に、風に乗って舞い上がる粒子でもある。敗北や挫折の堆積を”舞い上がる力”へ変換する。ここに詩的なリサイクルの発想が宿っているのではないでしょうか

そして「神々は私たちを試している」というフレーズで、再び神話的な世界へと接続されます。アスリートの試練を神話的なスケールで捉え直すことで、個人の物語は普遍的な領域へと拡張されているのではないでしょうか。

 

Cメロ後半部分の歌詞。

いつの日にか
あの朝も
消えるんだろうか
その時が来るまでは。

ここは時間に関するパートです。

「あの朝」は、重い身体を引きずって立ち上がった朝とも、最高のパフォーマンスに恍惚とした朝とも読める”象徴的な朝”です。「消えるんだろうか」で、記憶がいずれ風化することを前提に置きつつ、「その時が来るまでは。」で再び現在を走らせるアクセルを踏み込みます。

これらの表現は、結果を急がない『アポロドロス』的な倫理そのものです。美談に変換される前、メダルの色に塗りつぶされる前に、いまこの瞬間の生を全力で生き切る。その姿勢が描かれているのではないでしょうか。

 

大サビの歌詞。

綺麗な花もいいけど
傷をも誇れる花になろう
愛に満ちたこの日々に
何を残そう
そう 今こそ
生まれてきた意味を刻む時だ

再び繰り返される「傷をも誇れる花」は、1番サビで提示された”美の定義の更新”を、個人の決意からすべての人に対しての合意へと引き上げます。ここではもはや独白ではなく、”呼びかけ=合唱”の響きが前面に出ているのではないでしょうか

「愛に満ちたこの日々に 何を残そう」は、記録(Record)より記憶(Memory)、さらに軌跡(Trace)へと視線をずらす提案なのかもしれません。勝敗表には残らない「何か」。たとえば仲間との語らい、敗北直後の沈黙、再び立ち上がる小さなフォーム。それらを”遺す”ことができるのか?を問うています。

そして最後の「生まれてきた意味を刻む時だ」は、存在論的な命題を”具体的な行為(刻む)”へ着地させる締めくくりです。その刻む先は、石碑やメダルではなく、自分の身体と時間。歌全体がずっと見つめ続けてきた、その場所に刻まれるのです

 

ぜひ歌詞の意味にも注目しながら、この曲『アポロドロス』を聴いてみて下さい!

 

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