藤井風(Fujii Kaze)『何なんw』の歌詞とその意味&魅力について解説していきます。
この曲は、配信限定1stシングルとしてリリースされた藤井風の初となるシングル曲。
自身の1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』の一曲目にも収録されています。
『何なんw』という曲名からも分かるように、藤井風らしさ全開の独特な世界観を持った楽曲です。
藤井風公式Instagramに投稿された『何なんw』MV中のワンカット。
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実はこの写真に写る藤井風さんは22歳。
人生何周目?というほど驚くべき色気を放っています。
後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください!
それでは早速『何なんw』の歌詞紹介から書いていきます。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
動画解説:『何なんw』歌詞考察してみた
このブログの内容は下記の動画でも解説中!
藤井風『何なんw』歌詞
歌手:藤井風(Fujii Kaze)
作詞:藤井風(Fujii Kaze)
作曲:藤井風(Fujii Kaze)
収録:1st EP『何なんw EP』
収録:1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』
EP発売日:2020年1月24日(水)
アルバム発売日:2020年5月20日(水)
あんたのその歯には下がった青さ粉に
ふれるべきか否かで少し悩んでる
口にしない方がいい真実もあるから
… 知らない方が良かったなんて言わないで居て
何があってもずっと大好きなのに
どんなときも ここにいるのに
近すぎて 見えなくて ムシされて
雨の中一人行くあんた
心の中でささやくのよ そっちに行ってはダメと
聞かないフリ続けるあんた
勢いにまかせて 肥溜めへとダイブ
それは何なん
先がけてワシは言うたが
それならば何なん
何で何も聞いてくれんかったん
その顔は何なんw
花咲く町の角誓った
あの時の笑顔は何なん
あの時の涙は何じゃったん
たまには大胆に攻めたら良い
時には慎重に歩めば良い
真実なんてもんはとっくのとうに
知っていることを知らないだけでしょう
あれほど刻んだ後悔も
くり返す毎日の中で かき消されていくのね
真っさらになった決意を胸に
あんたは堂々と また肥溜めへとダイブ
それは何なん
先がけてワシは言うたが
それならば何なん
何で何も聞いてくれんかったん
その顔は何なんw
花咲く町の角誓った
あの時の笑顔は何なん
あの時の涙は何じゃったん
神様たすけて、やばめ やばめ やばめ やばめ
足元照らして、やばめ やばめ やばめ やばめ
目を閉じてみて 心の耳をすまして 優しい気持ちで
答えを聴いて もう歌わせないで
裏切りのブルース
それは「何なんw」
… ワシは言うたが
それならば何なん
何で聞いてくれんかったん
何なん 何なん 何なん
あの時の笑顔は何なん
あの時の涙は何じゃったん
何なん
『何なんw』歌詞の意味&魅力
この曲『何なんw』は、藤井風さん本人曰く「誰しもの中に存在しているハイヤーセルフを探そうとする歌」であるとのこと。
“ハイヤーセルフ”という言葉を簡単にまとめて1単語で表そうとすると、自分の中に存在する「神様」というような意味を持つ言葉になります。
かなり抽象的な表現になってしまいますが、それは「本当の自分」、エゴや感情に支配されることのないありのままの存在ということです。
このハイヤーセルフが、自分自身を正しい方向に導くために様々な働きかけをしていく姿が描かれています。
あなたに幸せになって欲しい。
だからどうか私の話を聞いて欲しい。
そんなメッセージが詰め込まれているそうです。
公式MVの紹介
こちらがYouTubeに投稿されている『何なんw』公式MV。
撮影は全編アメリカのニューヨークで行われたとのこと。
どこか哀愁漂う映像作品になっています。
このMV作品では、主人公の人生そのものが描かれているのです。
こちらは藤井風本人のツイートから。
わしの何なんwのMVに、天使(ハイヤーセルフ)役で出てくれてたゼニー先輩????
なんと今、ミュージカル「ドリームガールズ」の日本公演のために来日してます!
わしは色々重なって思わず泣いてしました。。
まだチケットが買える公演もあるそうなので、興味ある方、ぜひ????✨https://t.co/s9GBWoRrA6 pic.twitter.com/k9h357WFuy— Fujii Kaze 藤井 風 (@FujiiKaze) February 2, 2020
このMV中では、自分自身のハイヤーセルフが白い衣装を纏った一人の人間として表現されているようです。そして実は、この振り付け自体に監督からの指示はほとんど出されなかったようで、藤井風さん本人のアドリブダンスなんだとか。
音楽としても身体表現としても、天才的な才能を発揮している映像作品となっています。
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番:歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞から。
あんたのその歯には下がった青さ粉に
ふれるべきか否かで少し悩んでる
口にしない方がいい真実もあるから
最初のワンフレーズから”あんたのその歯には下がった青さ粉”という独特な言葉がならんでいますが、これは”あなたの歯に付いた青のり”という意味。
目の前にいる人の歯に青のりが付いていることに気付くのですが、そのことについて伝えるべきか否かを迷うというシチュエーションは誰もが経験したことがあるのではないのでしょうか。
伝えてあげれば、その人がこの後恥ずかしい思いをすることは無いけれど、伝えたら伝えたでこれまでその姿でいたことに恥ずかしくなってしまうのです。
このパートの歌詞では、そういった特定のシチュエーションを例に上げることで、人はそんな葛藤の連続を生きているのだということを表現しているのだと思います。
次々と訪れる正解のない分かれ道に、人は悩み苦しみながら生きているのです。
その後A’メロの歌詞が続きます。
… 知らない方が良かったなんて言わないで居て
何があってもずっと大好きなのに
どんなときも ここにいるのに
近すぎて 見えなくて ムシされて
“知らないほうが良かったなんて言わないで居て”というのは、この曲の主人公であるハイヤーセルフの言葉の様です。
先ほども書きましたが、ハイヤーセルフというのは自分の中に存在するもう1人の自分のことであり、エゴや感情に支配されることのないありのままの存在のことになります。
それはある意味で自分自身に一番近い存在であり、何があっても自分のことを愛し、常に自分を正しい方向に導いてくれる味方なのです。しかし近すぎる存在であるが故に、自分自身ではその存在に中々気付くことができません。
どんなにハイヤーセルフが正しい選択肢を教えてくれたとしても、その働きかけに気付くことができないのです。
ハイヤーセルフとは、言わば人間の潜在意識のことであり、それは表面的な感情や顕在意識によってかき消されてしまうのでしょう。
このパートでは、そうやって毎回無視されてしまうハイヤーセルフの苦しみが描かれているのだと思います。
続くBメロの歌詞。
雨の中一人行くあんた
心の中でささやくのよ そっちに行ってはダメと
聞かないフリ続けるあんた
勢いにまかせて 肥溜めへとダイブ
“肥溜め”とは糞尿を集めて肥料を作る穴のようなものなのですが、お世辞にも綺麗なものとは言えず、間違っても人間がダイブするようなものではありません。
この曲の中では”間違った選択肢”というニュアンスで使われているのだと思います。
人は往々にして、深く考えることなく勢いに任せて突き進んでしまうことがありますが、そんなときは大抵の場合間違った道に進んでいるものなのです。
きっとハイヤーセルフは、そっちに進んではいけないと何度も忠告していたのでしょう。
しかし人間はいつもその声を無視して突き進み、何度も同じミスを繰り返すのです。
そして1番サビの歌詞がこちら。
それは何なん
先がけてワシは言うたが
それならば何なん
何で何も聞いてくれんかったん
その顔は何なんw
花咲く町の角誓った
あの時の笑顔は何なん
あの時の涙は何じゃったん
何度も繰り返される「何なん」という言葉。
これはまさに、ハイヤーセルフが苦笑いをしながら発している言葉なのでしょう。
なぜ崖っぷちに立たされる前に自分の話を聞いてくれなかったのか。なぜもっと早く聞く耳を持ってくれなかったのか。そんな疑問で埋め尽くされているのだと思います。
ハイヤーセルフからすれば分かりきっていた結末を迎えただけなのです。
しかしもちろん、そんな呆れた気持ちが届くこともなく、ミスをした人間は「やっちまった」と言わんばかりにヘラヘラと笑っているのかもしれません。
ここまで来ると、ハイヤーセルフさえも「何なんw」と笑うしかないのです。
2番:歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞から。
たまには大胆に攻めたら良い
時には慎重に歩めば良い
真実なんてもんはとっくのとうに
知っていることを知らないだけでしょう
自分の人生、大胆に突き進むも慎重に進むもそれはもちろん自由なこと。
しかしハイヤーセルフから言わせれば、正解の道はとっくのとうに見えていて、ただその正解に人間たちが気付けていないだけなのです。
真実はいつも自分の中に存在していて、その潜在意識に辿り着けるか否かでその人の運命が決まってくるのかもしれません。
続く2番Bメロの歌詞。
あれほど刻んだ後悔も
くり返す毎日の中で かき消されていくのね
真っさらになった決意を胸に
あんたは堂々と また肥溜めへとダイブ
このパートでは、改めてハイヤーセルフの強く呆れた気持ちが表現されています。
何度失敗と後悔を繰り返しても、気付けばその記憶はなかったことのように忘れ去られてしまっているのが人間という生き物なのです。
そしてまた取り返しのつかぬミスを犯してしまう。
そんな人間に言葉を失っているのだと思います。
2番サビは1番サビと同様の歌詞。
そしてCメロ部分からは情景が一転します。
神様たすけて、やばめ やばめ やばめ やばめ
足元照らして、やばめ やばめ やばめ やばめ
目を閉じてみて 心の耳をすまして 優しい気持ちで
答えを聴いて もう歌わせないで
裏切りのブルース
前半部分では、ハイヤーセルフに呆れられていた人間目線の歌詞に切り替わります。
自分自身が同じミスを繰り返していることにやっと気づき始めたようです。
少しずつ自分の進む方向に疑問を抱き始め、頭を抱えている様子が描かれています。
「やばめ」と言うキャッチーなフレーズの繰り返しが、主人公の心情の変化をより一層強く表していますよね。大きな恐怖に襲われている姿が想像できます。
“足元を照らして”というのは、正しい道を教えてという意味なのでしょう。
ついに神様(ハイヤーセルフ)に助けを求める始めるのです。
そして後半部分では、改めてハイヤーセルフの言葉が歌われていきます。
周りからの野次や喧騒、
自分の中に存在するエゴを忘れて、一度心を落ち着かせてみてほしいと助言するのです。
そうすることで真実に辿り着けるはずだと伝えているのでしょう。
どんなに裏切られたとしても、
いつまでも味方でいてくれるところがまさにハイヤーセルフらしいですよね。
しかしもちろん裏切られることは悲しいことであり、もうこれ以上裏切らないでくれよと念を押しているのだと思います。
そしてラスサビの歌詞がこちら。
それは「何なんw」
… ワシは言うたが
それならば何なん
何で聞いてくれんかったん
何なん 何なん 何なん
あの時の笑顔は何なん
あの時の涙は何じゃったん
何なん
なぜ崖っぷちに立たされる前に自分の話を聞いてくれなかったのか。
もっと早く聞く耳を持ってくれていればこんなことにはならなかったのに。
ここでは念押しのように改めて、ハイヤーセルフのもどかしい心情が描かれています。
真実を知るハイヤーセルフ(自分自身を正しい方向に導いてくれる神様のようなもの)は誰しもの中に存在していて、その存在に気付ける人と気付けない人がいるだけ。
それは様々な挑戦を繰り返し、
自分の道を進み続ける中で少しずつ見えてくる存在なのかもしれません。
エゴやいっときの感情を排除した、
本当に自分自身が求めているものを見つけるためのヒントになるような楽曲となっています。
この曲の主人公は、自分自身のハイヤーセルフを見つけることができたのでしょうか。
ぜひ歌詞の意味を心に響かせながら、この曲『何なんw』を聴いてみて下さい!
自分自身のハイヤーセルフがもしかすると見つかるかもしれません。
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