Mrs. GREEN APPLE

Mrs. GREEN APPLE『Feeling』歌詞【意味&考察】感覚を羅針盤に、喪失を宝物へ変えていく再起の曲(ミセス)

Mrs. GREEN APPLE『Feeling』歌詞【意味&考察】感覚を羅針盤に、喪失を宝物へ変えていく再起の曲(ミセス)

Mrs. GREEN APPLE(ミセス)『Feeling』の歌詞とその意味について考察していきます。

この曲は、カンロ『ピュレグミ』2024年春CMソングとしても起用された一曲。

過去を振り返らないと決めた主人公が、「feeling=感覚」を羅針盤に再起動していく物語大森くんの言葉が、痛みと希望の両方を抱えたまま前へ進む勇気をやさしく肯定します

 

本記事では、歌詞に込められたメッセージをフレーズごとに丁寧に読み解き、楽曲全体を通じて伝わる深い意味を探っていくので、ぜひ最後までご覧ください!

あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。

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Mrs. GREEN APPLE『Feeling』歌詞

楽曲情報

歌手:Mrs. GREEN APPLE
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
収録:5thフルアルバム『ANTENNA』
発売日:2023年7月5日(水)

終わった事だから
振り返ったりしない
綺麗になるには まだかかるけど
「貰ったものは宝物」とはまだ言えない

 

ただ feelingに
任せてしまえばいいよ
尖って鈍って忙(せわ)しいこのワンダーランド

 

そのfeelingに
背負わせてしまえばいい
出会うべく学ぶべく
試験のこのワンダーランド

 

シャワーを浴びて空想してるよ
限りないものって本当に無いんだろうか
諦められるようになってきたような
正常すぎる危険サインを感じてるよ

 

そうさ feelingに
任せてしまえばいいよ
尖って鈍って難しいこのボーダーライン

 

そのfeelingを
信じて疑わなきゃいい
憎むべき愛すべき
心のコックピットで

 

今日もfeelingに
手を取られ引っ張られ
出会うべく学ぶべくと
私に寄り添ってる

 

愛されてた。
宝物だ。
試されてる。
私はきっと
愛されてる。

 

『Feeling』歌詞の意味&楽曲背景

『Feeling』は、別れや喪失の直後にある”空白”から立ち上がるプロセスを描いた楽曲

冒頭では「終わった事だから」と距離を置きつつも、まだ「宝物」と言い切れない未練や疼きが残る。しかしサビでは、頭で正解を探すより、今の感じ(feeling)を信じて一歩ずつ進もうとします

そして、世界の混乱も学びの場だと受け止め、感じなくなることこそ危ないと気づく。最後は「愛されてた」と過去を肯定し、その記憶が今の自分を支える実感へ変わっていきます。

ぜひ最後まで読み進めて、『Feeling』の歌詞の世界に浸っていただけると嬉しいです。

公式音源の紹介

公開されている公式音源がこちら。

 

ここからはフレーズごとに歌詞考察をしていきます

1番:歌詞の意味

1番Aメロの歌詞。

終わった事だから
振り返ったりしない
綺麗になるには まだかかるけど
「貰ったものは宝物」とはまだ言えない

冒頭の二行は、「言い切る」と「保留する」の対比がはっきりしています。

1行目の「終わった事だから」は、過去との距離を先に決め、語り手が頭では”終わり”を受け止めていることを示しています。しかし、続く「振り返ったりしない」は、完全な否定ではない気がします「振り返らない」と言い切るより柔らかく、例外がありえる言い方に感じました

つまり、強く言い切っているようで、既に揺れが混ざっているのではないでしょうか

「『貰ったものは宝物』とはまだ言えない」では、引用符がポイント。自分の言葉ではなく、よくあるきれいな言い回しをいったん掲げてから保留しているのだと思います。

さらに「まだ」が時間の余白を作っています。「今は無理だが、いつかはそう言えるかもしれない」という可能性を残し、冷たい断絶ではなく”途中過程”に物語を置いています

Aメロには”言い訳”の匂いはありません。

強がりに見えても、実は「いまの自分」の正直な報告なのではないでしょうか。喪失直後の自分に「前向きであれ」と無理を強いない。この姿勢が大森くんのやさしさだと感じました。その結果、聴き手も「正しいことは分かるけど、今は無理」という自分を責めずにいられる。短い行間に「自分を罰さない許可」が織り込まれているのだと思います。

 

そして1番サビ前半の歌詞。

ただ feelingに
任せてしまえばいいよ
尖って鈍って忙(せわ)しいこのワンダーランド

冒頭の「ただ」は、いったん考えるのをやめて感覚に耳を澄ます合図です。そこで小文字の”feeling”がすっと入るのが大事で、特別な言葉ではなく、日常の「感じ」を呼び起こしてくれます。宗教的な”超越”のようなものではなく、誰にでも届く身体の勘へ話を下ろしているのではないでしょうか。

「任せてしまえばいいよ」は、命令ではなく提案のトーン。「〜すればいい」は、選ぶのはあなた自身だと伝えつつ、そっと背中を押してくれる感じがします。さらに「しまえば」という言い回しも効いています。

いったん任せてしまう=一時的にコントロールを手放すこと。そう考えると心理的なハードルが下がる。委ねることを、恥ではなく有効なストレス対処の選択肢として提示してくれているのではないでしょうか

そして「尖って鈍って」は、対比をぎゅっと凝縮した二語です。感受性が鋭く刺さる瞬間と、世界の音が遠のく瞬間その波が交互に来るグリーフ(大切な人や物を失った時に感じる悲しみ)の揺れを描いているのかもしれません。続く「忙(せわ)しい」には、疲れだけでなく、情報や感情が詰め込まれ過ぎている頭の渋滞というニュアンスが乗っていそうです。

そこで出てくる「ワンダーランド」という比喩が、大森くんならではの転換ではないでしょうか。カオスを異界へいったん移し替えることで、観察できる舞台に変えてくれる。つらさを軽んじず、別のレンズで見直す。この言い換えの技こそ、このパートの核心だと感じました。

 

1番サビ後半の歌詞。

そのfeelingに
背負わせてしまえばいい
出会うべく学ぶべく
試験のこのワンダーランド

ここでは、”feeling”が受け身の気分から、能動的な主役に変わります。

「任せる」からさらに踏み込み、「背負わせる」と言うことで、痛みや選択や結果といった重さをfeelingに担ってもらう感覚を、単なる反射ではなく、進む道を案内する存在として扱っているように思います。

「出会うべく/学ぶべく」の「べく」には、古語由来の必然の響きがあります。偶然に見える出来事にも、出会いと学びの筋道が通っていたのだと語るわけです。ここでの「出会い」は恋愛に限らず、新しい自分・価値観・景色との遭遇まで含む広い概念。

「試験」という一語も効いています。学校のテスト、人生の審査、偶然の試練、他者の視線など、複数の意味が折り重なり、聴き手の状況に応じて焦点が自然に合いそうです。そして「このワンダーランド」という指示の「この」が、語り手と聴き手が同じ舞台に立っている感覚を生み、孤独の物語が、共にいる物語へと切り替わっているように感じられます。

このパートでは、責任のベクトルがfeeling側に移譲されましたが、思考停止ではありません。理性を否定せずに、意思決定の最前線に感覚を据え、理性は後列から支える。それこそがこのサビパートの肝なのではないでしょうか。

 

2番:歌詞の意味

2番Aメロの歌詞。

シャワーを浴びて空想してるよ
限りないものって本当に無いんだろうか
諦められるようになってきたような
正常すぎる危険サインを感じてるよ

2番は、日常のすき間から始まります。シャワーという私的な空間で、外のノイズが切れ、思考が素にもどっていることを表現しているのではないでしょうか。

ここでの「空想」は逃げではなく自己点検に近いように思えます。水滴のリズムに合わせて、考えが点々と立ち上がる感覚が伝わってきました。

「限りないものって本当に無いんだろうか」は、世界の見え方を更新する問いです。若さが信じた永遠に、現実の有限がにじんでいます。しかし語り手は悲観で止まりません。「〜だろうか」と疑問形で開いておくことで、思考の柔らかさを保っています。

そして続く二行が要。

「諦められるようになってきたような」という二重のぼかし(「〜ようになってきた」+「ような」)で、断定せずに、感覚が鈍っていく予兆を捉えています。

そして「正常すぎる危険サイン」。成熟や適応を”正しさ”としては持ち上げず、感じなくなることこそ危ういと針路を修正してくれているのではないでしょうか

悲しみに慣れる/痛みの閾値が上がること、それは社会的には「落ち着いた」と見なされても、自分自身の感情の鮮度を失うリスクだと教えてくれているのだと思います

 

そして2番サビ前半の歌詞。

そうさ feelingに
任せてしまえばいいよ
尖って鈍って難しいこのボーダーライン

ここでは1番サビの反復が含まれますが、ただ繰り返されているだけではありません。

間投詞の「そうさ」で自分をもう一度励まし、揺れた心を少しずつ整えているのだと思います。ショックで乱れた認知は、1回の納得では戻らないということかもしれません。何度も言い聞かせることで、身体が新しい反応を覚えていく。その訓練としての反復が曲の構造にも組み込まれているのではないでしょうか。

そして視点は「ボーダーライン」へ。過去/現在、被害者の私/学ぶ私、憎しみ/感謝、その境界は動き続け、固定できません。だからこそ「難しい」と言葉にすることが大切で、困難を困難と認める言葉こそが、自分を責めてしまう気持ちを抑えるためのおまじないなのだと思います

ここでの”ボーダー”は、後に出る「コックピット」の内界/外界の境界を先取りする伏線でもあります。境界を自覚することで、それをどう扱うか、の問題へ進めるのです

 

2番サビ後半の歌詞。

そのfeelingを
信じて疑わなきゃいい
憎むべき愛すべき
心のコックピットで

「信じて疑わなきゃいい」という軽い口調は、説教くささを避けつつ、「毎回いちいち感覚を疑って差し戻す」クセをやめよう、という実務的な提案に聞こえます。つまり、過度な自己検閲にブレーキをかけるわけです

「憎むべき/愛すべき」は、正反対の価値が同時にありえると認める言い方。出来事を無理に良い話へ塗り替えず、憎しみも含めて手元に置いたまま操縦する覚悟が示されています

ここでの「心のコックピット」は、ハンドル=意思決定、外の天候=状況、揺れ=感情、などと対応づけられそうです。世間の声が管制塔のように指示してきても、最終判断はパイロット=自分にあるということだと感じました。

 

そして大サビの歌詞。

今日もfeelingに
手を取られ引っ張られ
出会うべく学ぶべくと
私に寄り添ってる

ここでは「今日も」という言い方で、物語を続いていく日常につなげています。

ここでのfeelingは、もはや気分ではなく相手役。「手を取られ」「引っ張られ」と、主語はfeeling、私は半歩だけ受け身です。つまり、サビで自分の心の操縦席を取り戻したからといって、全部を自力で管理する完璧主義にはいきません

むしろ、伴走してもらう私へと揺り戻されます。内なるチームの中心がfeelingで、理性・記憶・価値観・身体がサポートをする。この編成で読むと、「寄り添ってる」の現在進行形にあたたかさが宿ります

「出会うべく/学ぶべく」の再登場は、”方針”が”日課”になった合図だと思います。学びや出会いは大げさな宣言ではなく、毎日のルーティンに落とすことで身につくということ。回復は一発逆転ではなく、今日もまた少しずつという積み重ねとして描かれています。

 

ラストはこの歌詞で終わります。

愛されてた。
宝物だ。
試されてる。
私はきっと
愛されてる。

ラストは、短い断定文の連打と句点のリズムで、内なる独白が続きます。とくに時制のつながりが効いていて、「愛されてた」から「愛されてる」へ変化する。過去から現在へ橋を渡すことで、意味の再評価が完了します。「宝物だ」という言い切りは、冒頭の「まだ言えない」への正面からの答えです。

「試されてる」は、ハッピーエンドに酔わないための健全なブレーキだと感じます。人生は今も試験中だということ。ただしその試験を受ける私は、もう不足の存在ではありません。

「愛されてた」「愛されてる」と受動のまま進みながら、語り手は”受け取り下手”を卒業していきます。受け取ることを自体を罪悪視しない態度が、この曲最大の倫理的メッセージとも捉えられそうです

受け手であることは弱さではないということ。受け取った愛は自分を信頼するための資本になり、次の出会いへの投資になる。だからこそ「宝物だ」と言えるのではないでしょうか

 

 

ぜひ歌詞の意味にも注目しながら、この曲『Feeling』を聴いてみて下さい!

 

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