Mrs. GREEN APPLE(ミセス)『君を知らない』の歌詞とその意味&魅力について考察していきます。
この曲は、4thミニアルバム『Unity』の4曲目に収録された楽曲。
一体歌詞にはどんな意味が込められているのでしょうか!?
順を追って紐解いていきたいと思います。
後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください!
それでは早速『君を知らない』の歌詞から紹介していきます。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
動画解説:『君を知らない』歌詞考察してみた
このブログの内容は下記の動画でも解説中!
Mrs. GREEN APPLE『君を知らない』歌詞
歌手:Mrs. GREEN APPLE
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
収録:4thミニアルバム『Unity』
発売日:2022年7月8日(金)
分かり合える事はない
そう気づいてしまったよ
分かち合うのならと泳ぐ
誰かがしてる縄跳びの中に
僕も入れたなら変われるかな
君を知っている
悪いのは僕の方だ
わかった気になってた
君の一部を全部として
でも僕を知って欲しい
手を離したのは君の方だ
時間が経てば忘れる
そう思って今日も引き摺ってる
大体そうさ、みんな良い人でも無いし
後ろから刺されてしまうのを恐れてる
いい加減無理をするのを辞めたい
愛されていたいだけだから それだけだから
君は知っている
せめて今日なら生きれる術を
辿り着けて良かったね
僕の一部を全部にして
でもこれは知っていて欲しい
夢を未だに見るんだ僕は
写真の中で息をしてる
あの頃の君に会いたい
君を知っている
悪いのは僕の方だ
わかった気になってた
わかった気にさせて
でも君も知っていて欲しい
手を取っていたあの日の僕ら
時間が経てば忘れる
そう思っていても
届いて欲しいこのラブソング
僕を知らない君とどうか
その日々の不可欠で在りたい
痛い 出会うまではジッと ギュッと
でももはやこれは素晴らしい
そう信じなきゃ やっていけないな
全て繰り返しで出来てる
泣けてしまうけど
悔しいけど
君を思っていたい君を知っている
『君を知らない』歌詞の意味&魅力
『君を知らない』のテーマは”歪んだ愛情”。
ミセスらしさをたっぷりと感じられるバラードソングになります。
聴き方によっては、ミセスを脱退したメンバーに向けた曲のようにも感じますが、ミセスファンではない人にもずっしりと響く言葉が綴られた名曲です。
特に注目したいのは、楽曲タイトルが『君を知らない』であるにも関わらず、歌詞に何度も登場するのは<君を知っている>という言葉だけである点。
実は、<君を知らない>という言葉は一度も登場しません。
この点について大森くんは、Instagramで下記のようにコメントしていました。
<君を知っている>なぜこういう歌詞になったんだろう自分でも不思議ですが。きっとたくさんの人に愛されるべき曲なので、これからも大事に歌っていきたいと思います。
作詞者に「自分でも不思議」と言われてしまえばそこまでですが、個人的には、ここに深い意味が隠れている気がしています。
歌詞中の言葉が自分の気持ちや思いを綴ったものであるならば、楽曲タイトルはそんな自分を客観視したときの姿を表現したものなのではないでしょうか。
そう捉えると「僕は君のことを理解していて、君も僕のことを知ってくれている」と思い込んでるのは自分だけで、現実は違うのだという切なさがより一層強く感じられるのです。
公式音源の紹介
Apple Musicにて公開されている公式音源がこちら。
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番:歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞。
まずは前半部分から。
分かり合える事はない
そう気づいてしまったよ
分かち合うのならと泳ぐ
この曲には僕と君という2人の人物が登場しますが、その関係性は男女の関係に限らないものとして今回は考察を進めていきます。
このパートで歌われるのは、主人公の心の内側のこと。
冒頭で歌われる<分かり合える事はない>とは、主人公なりに考える、別れてしまった”君”との関係性についてなのではないでしょうか。
それは、君と過ごすうちに、お互いに分かり合える日が来ないと悟ったということで、<2人の価値観が違った>と言い換えられるかもしれません。
その事実に気が付いてしまった主人公は、分かり合うことを諦めて<分かち合う>ことを選んだようなのです。
同じ時間を共有したり、喜びを分かち合ったりすることには、必ずしも価値観が同じである必要はないですよね。しかし、本当は分かり合いたかったという主人公の本音が<泳ぐ>という言葉から伝わってきます。
続く1番Aメロ後半部分の歌詞。
誰かがしてる縄跳びの中に
僕も入れたなら変われるかな
このパートからも、本当は分かり合いたかったという主人公の本音が伺えます。
<誰かがしてる縄跳びの中に入る>というフレーズは、“他人の価値観に自分が合わせること”の象徴として使われているのではないでしょうか。
しかし、主人公の僕にはそれができなかったのだと思います。
そこには主人公なりの理由や言い分がきっとあるはずですが、僕と君が分かり合えずに別れてしまったことは何にも変えられない事実として存在するのです。
そして1番サビの歌詞がこちら。
まずは前半部分から。
君を知っている
悪いのは僕の方だ
わかった気になってた
君の一部を全部として
冒頭の<君を知っている>というフレーズには、<(僕は)君を知っている(気になっていた)>という言葉が隠れているのだと思います。
そう捉えると、続く<悪いのは僕の方だ>や<わかった気になってた>という言葉の意味がスッと入ってきますよね。
人は誰しも、目に見えている部分が”その人の全て”のように思いがちですが、実は表に出ている部分などその人を構成するほんの一部にすぎません。
良いも悪いも目に見えていない一面が沢山あるはずなのです。
そしてその事実が、この曲のメッセージでもあるのだと思います。
続く1番サビ後半部分の歌詞。
でも僕を知って欲しい
手を離したのは君の方だ
時間が経てば忘れる
そう思って今日も引き摺ってる
サビ前半部分で<悪いのは僕の方だ>と歌われましたが、ここでは<僕のことも知って欲しい>と歌われます。
なぜなら、最終的に別れる決断を下したのは君だったから。
君と分かり合うことができないと悟った主人公が”分かち合う”という選択をしたのは、君と別れないための決断だったはずなのに、君が選んだのが”別れる”という選択だったのです。
自分なりには最善の結論を出したはずなのに、その選択が最悪の結末を導いてしまったのかもしれない。そう思えば思うほど辛く苦しくなってしまう。
そんな切なくてやるせない気持ちが伝わってきました。
この気持ちをどうにか吐き出すためには、<手を離したのは君の方だ>と自分に言い聞かせるしかなかったのかもしれません。
2番:歌詞の意味
2番はBメロの歌詞から始まります。
大体そうさ、みんな良い人でも無いし
後ろから刺されてしまうのを恐れてる
いい加減無理をするのを辞めたい
愛されていたいだけだから それだけだから
なぜ人には目に見えていない一面が沢山あるのか。このパートではその理由について、誰かに憎まれたり裏切られたりすることを恐れているからだと歌われています。
その恐怖から逃れるために、当たり障りのない言葉や行動で無難にやり過ごそうとした結果、良い部分だけが目に見えることになるのです。
それは一見素晴らしいことに思えますが、実は良いこと尽くしではありません。無難にやり過ごすためにはときに自分の本音を抑える必要があり、そこには大きな苦痛を伴います。
ここで歌われる<無理>というのが、まさにその苦痛のことなのではないでしょうか。
ただ愛されていたい。
それだけが主人公の願いなのに、なぜこんなにも苦しまなければならないのか。その答えにいまだ辿り着けずにいるのだと思います。
そして2番サビの歌詞。
まずは前半部分から。
君は知っている
せめて今日なら生きれる術を
辿り着けて良かったね
僕の一部を全部にして
ここまでの歌詞では常に僕のことについて書かれてきましたが、このパートで初めて君のことについて歌われます。
<せめて今日なら生きれる術>とは、“別れるという選択”のことではないでしょうか。
君もきっと、僕の一部分を全部だと思い込んでその決断に至ったはずだけれど、それは果たして正解だったのだろうか?と、君に対して問いかけているように感じられました。
現時点では正しいと言い切れない決断だったからこそ、<今日”なら”生きれる術>と表現したのだと思います。
そして2番サビ後半部分の歌詞がこちら。
でもこれは知っていて欲しい
夢を未だに見るんだ僕は
写真の中で息をしてる
あの頃の君に会いたい
サビ前半部分の歌詞は君への皮肉のようにも聞こえましたが、このパートの歌詞からはそうやって吐き出すしかなかった主人公の姿が見えてきます。
ここで歌われる<息をしてる>とは、”希望に満ちた日々のこと”として捉えられそうですが、それはすっかり<写真の中(過去)>の美しい記憶となってしまったのです。
本当ならば、今も君と共に過ごしていたはずなのに。それを心から望んでいたはずなのにという、主人公のやりきれない気持ちがひしひしと伝わってきます。
3番:歌詞の意味
落ちサビの歌詞がこちら。
君を知っている
悪いのは僕の方だ
わかった気になってた
わかった気にさせて
でも君も知っていて欲しい
手を取っていたあの日の僕ら
時間が経てば忘れる
そう思っていても
前半部分は1番サビと似た歌詞が綴られています。違っているのは最後の<わかった気にさせて>という部分。
その言葉には、君に全てをさらけ出すことができなかったことに対する自責の念が込められているのではないでしょうか。
もし僕がありのままの姿を明かすことができていれば、また違う結末になっていたかもしれない。そんなことを考えて、ますます自分を責めてしまう主人公の姿が想像できます。
そして後半部分の歌詞では、君へのメッセージが歌われているようです。
「僕と同じように君もきっと苦しいはずだけど、時間がその苦しみを解決すると思ってるでしょ?」「でもね、そんな事無いんだよ?」と語りかけているように感じられます。
おそらく主人公自身も最初はそう思っていたはずなのですが、どうやらいつまでも苦しみは癒えなかったのではないでしょうか。
それほどまでに、君はかけがえのない存在だったのだと言えそうです。
最後はラスサビの歌詞で終わります。
まずは前半部分から。
届いて欲しいこのラブソング
僕を知らない君とどうか
その日々の不可欠で在りたい
痛い 出会うまではジッと ギュッと
この曲は君に捧ぐラブソングなのだと歌われます。
たとえ全てを分かり合うことができないとしても、お互いをかけがえのない存在として大切にしていたかったと。今もまだ、そう在りたいと願っているのだと。
この想いを君に届けたい一心で曲を作ったのです。
しかし、君と再会できるまでは想いが伝わっているかどうかは分かりません。いつか出会えるその日まで、思いをギュッと抱きしめてジッと待つしかないのです。
そのもどかしさに胸が痛んでいるのだと思います。
そして後半部分の歌詞がこちら。
でももはやこれは素晴らしい
そう信じなきゃ やっていけないな
全て繰り返しで出来てる
泣けてしまうけど
悔しいけど
君を思っていたい君を知っている
このパートでは、どうにか前を向いて進み出そうとする主人公の姿と、君に対する感謝の気持ちが歌われているのだと思います。
まず描かれるのが、計り知れない苦しみに耐える為には、現実を肯定するしかないと感じる主人公の姿です。
人が生きていれば、思いを伝えきれずに別れを経験をすることも辛く悔しい思いをすることもあるでしょう。
しかし、現実を変えることはおろか、何事もなかったかのように人生は続くのです。
そんなときに残される選択肢はいつも同じなのかもしれません。迎えた結末が最善だったと信じることだけなのです。
もちろんその選択にも苦しみを伴うはずですが、それは前向きな苦しみ。人生はその<繰り返しで出来てる>のだと教えてくれているのではないでしょうか。
そして、最後に歌われるのは君への感謝。
泣きたい気持ちに変わりはないはずなのに、君のことをずっと想い続けたいと思えるのは、君に対する感謝があるからなのだと思います。
君がいてくれたからこそ今の自分いる。それもまた何にも変えられぬ事実なのです。
ぜひ歌詞の意味を踏まえた上で、改めて『君を知らない』を聴いてみてください。
ミセスを代表するバラードソングとして、いつまでも語り継がれることを願っています。
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