Mrs. GREEN APPLE(ミセス)『私』の歌詞とその意味&魅力について解説していきます。
この曲は、1stオリジナルアルバム『TWELVE』の6曲目に収録されました。
楽曲はピアノメインで構成され、切なさを感じずにはいられないラブバラードソング。
ミセス作品の中では比較的マイナーソングの部類に入る楽曲ですが、ファンの間では絶大な人気を誇る一曲となっています。
Mrs. GREEN APPLE(ミセス)公式Instagramの投稿から。
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後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください!
それでは早速『私』の歌詞紹介から書いていきます。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
動画解説:『私』歌詞考察してみた
このブログの内容は下記の動画でも解説中!
Mrs. GREEN APPLE『私』歌詞
歌手:Mrs. GREEN APPLE
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
収録:1stアルバム『TWELVE』
発売日:2016年1月13日(水)
空は深く澄んでて 息は白くて
私は確かに此処で生きている
私は昔から涙脆くて
貴方はその度に側で笑っていた
二人だけの帰り道
弱さを知れた夜
壊れかけの自転車と
掴んだその手も
もう届かない 戻れない
いつまでも
今更だけど
あの時、私は貴方の事が好きでした
凍える冬には 温かいその目が救いでした
貴方が好きでした。
昔見てた景色は どこまでも広くて
そこまでの行き方など知りたくはなかった
何処かで貴方が鳴らす
その足音は早かった
壊れかけの自転車の
捨て方も解った
でも忘れずに留めておこう
いつの日も
「変わらずに居よう」
これからもずっと
ここからの夕陽が綺麗であれば
これからもずっと
私は「私」を生きてゆける
花はまだ咲けずに
私もまた泣けずに
貴方へは届かずとも
人はまた恋をする
あの時、私は貴方の事が好きでした
凍える冬には温かいその目が救いでした
これから私は
明日も私は
確かに此処で息をしてる
私は私を生きてゆく
『私』歌詞の意味&魅力
この曲『私』は、冬のある日の情景描写を元に書かれたバラードソングになります。
目に見えない概念や感情を元にして曲を書くことが多いVo.大森くんが、目に見える季節描写ありきで曲を制作したのはこの作品が初めてだったそうです。
内容についても一見恋愛ソングのように見えますが、歌われるのは最後まで”私”(この曲の主人公)のことだけ。冒頭から最後まで、全て”私”の目線で物語は進んでいきます。
そんな所に「人間の弱さやもろさが見え隠れしている」と、作詞作曲を手掛けたVo.大森くんは過去に語っていました。
1つづつ歌詞を紐解いていくと、この曲がミセスファンに愛され続ける所以が分かるかもしれません。
公式音源の紹介
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番:歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞から。
空は深く澄んでて 息は白くて
私は確かに此処で生きている
私は昔から涙脆くて
貴方はその度に側で笑っていた
ここでは、この曲の舞台である『冬』の情景と、そこにいる『私』と『貴方』の存在が『私』目線で描かれます。
一般的に冬は、他の季節に比べて空気が澄んでいると言われているのですが、<空は深く澄んでて><息は白くて>という言葉が、まさにその『冬』を表現した言葉。
澄んだ冬空の下で、主人公の『私』と『貴方』は隣に並んで歩いているのかもしれません。
その2人の性格は対照的なようで、この曲の中で『私』は涙脆く”暗い”存在として描かれ、『貴方』は笑顔の絶えない”明るい”存在として描かれていきます。
続く1番Bメロの歌詞。
二人だけの帰り道
弱さを知れた夜
壊れかけの自転車と
掴んだその手も
もう届かない 戻れない
いつまでも
<壊れかけの自転車>という言葉は、この曲のキーワードになっているような気がします。
その言葉通り、道を歩く2人は壊れかけの自転車を引きずっているようですが、<壊れかけ>とはそんな情景描写だけではなく、きっと2人の関係性のことも表しているのです。
もしかするとその帰り道が、2人並んで歩いた最後の日だったのかもしれません。
ここからは想像の範囲での話になってしまいますが、おそらく主人公の『私』は『貴方』に想いを寄せていたものの、その気持ちは届かなかったのだと思います。そしてそれは、『私』の心の弱さが引き起こした結末だったのではないでしょうか。
その”弱さ”とは、思いを伝えきれなかった自分のことなのかもしれないし、『貴方』に頼りすぎていた自分のことなのかもしれませんが、とにかく『私』はその日のことを思い出しながら、過去の自分を憂いているのです。
そして1番サビの歌詞がこちら。
今更だけど
あの時、私は貴方の事が好きでした
凍える冬には 温かいその目が救いでした
貴方が好きでした。
このパートでは、いつまでも過去に囚われながら生きる主人公の姿が描かれます。
月日がどれだけ経ったとしても、心の何処かに『貴方』への未練が残っている様子。
辛いときや苦しい時、ふとした瞬間に『貴方』のことが思い出されるのです。
それは『私』が、これまで何度も『貴方』の笑顔に救われてきたという事実でもあります。
『私』の心に温もりを与えてくれていたのは、いつも『貴方』の存在だったのです。
心の穴を埋めきれずにいる主人公の姿が、ヒシヒシと伝わってきます。
2番:歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞。
昔見てた景色は どこまでも広くて
そこまでの行き方など知りたくはなかった
無知で幼かった頃は、目に見えるもの全てに無限の可能性を感じていたはずなのに、大人になるにつれてその景色は少しずつ汚れていきます。
それは必然であり、自分の意思で抗うことはできません。
知らないほうが良かったと思えることまで、少しずつ明らかになってしまうのです。
ここから始まる2番の歌詞では、そうやって時が進み、大人になった『私』の視点で物語が描かれていきます。
続く2番Bメロ部分の歌詞。
何処かで貴方が鳴らす
その足音は早かった
壊れかけの自転車の
捨て方も解った
でも忘れずに留めておこう
いつの日も
「変わらずに居よう」
いつも『貴方』のことが遠い存在のように感じられ、『貴方』のことを忘れることが出来なかった主人公も、少しずつその気持ちに変化が見えてきた様子。
1番の歌詞にも登場した<壊れかけの自転車>とは、『貴方』との関係性を表したものでしたが、その<捨て方も解った>というのは、過去の思い出の捨て方が解ったという意味なのだと思います。
これまでは、ただ過去に囚われて生きてきた主人公でしたが、今はあえて、その時の気持ちを心に留めているのだと言うのです。
それは即ち、過去を捨てることによって前に進むのではなく、過去と上手く付き合いながら前に進んでいく道を選んだということになります。
過去を捨てきれずにいる自分こそが『私』であり、いつの日も自然体でいることこそが、生きる上で大切なことなのかもしれません。
良いも悪いもありのままに受け入れて生きていく。『私』は歳を重ねるにつれて、そんな人生の美しさに気づいたのだと思います。
そして2番サビの歌詞がこちら。
これからもずっと
ここからの夕陽が綺麗であれば
これからもずっと
私は「私」を生きてゆける
私が『私』を生きてゆくということは、まさに直前のBメロ部分で歌われたように、ありのままの自分を受け入れて生きていくということになります。
そしてそんな生き方をするためには、いつまでも変わることのない心の拠り所を見つける必要があるのです。そして主人公にとってのそれが、おそらく夕陽なのだと思います。
その拠り所さえ見つけられれば、どんなことも乗り越えられるのだということを、Vo.大森くんはこの曲を聴く全ての人に教えてくれているのではないでしょうか。
その後Cメロの歌詞が続きます。
花はまだ咲けずに
私もまた泣けずに
貴方へは届かずとも
人はまた恋をする
ここで歌われる”花が咲く”状態とは、恋が実るということなのだと思います。
その花はいつまでも咲きません。主人公の『貴方』への想いは未だ届かず、これからもきっと届くことはないのです。
そして届くことがなければ”泣く”こともありません。
当たって砕けられれば泣くこともできるのに、当たることが出来なければ泣くことさえ出来ないのです。
それはそれは辛く苦しいのですが、人はそんな繰り返しの中で強くなっていくのかもしれません。
そしてその苦しみを受け入れることが出来たとき、人はまた前に進み出すのです。
続く落ちサビの歌詞は、1番サビの歌詞と同様なので割愛します。
そして最後はラスサビの歌詞。
これから私は
明日も私は
確かに此処で息をしてる
私は私を生きてゆく
これまでの歌詞は全て過去に焦点が当てられたものでしたが、ここでついに未来に焦点が当てられます。
明日も明後日も明々後日も、私が『私』であるという事実が変わることはありません。どんなに困難や辛いことがあろうと、これからも確かに『私』として生きていくのです。
それは、これまで歩んできた道のり全てを受け入れて生きていくということであり、その事実を前向きに捉え、前に進むことを決意した主人公の姿が最後に描かれて、この曲は締めくくられます。
ぜひ歌詞の意味にも注目しながら、この曲『私』を聴いてみて下さい!
恋愛ソングの枠を超えて、生きる上で大切なことを教えてくれる一曲です。
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