Mrs. GREEN APPLE(ミセス)『Oz(オズ)』の歌詞とその意味&魅力について解説していきます。
この曲は、3rdシングル『In the Morning』の3曲目に収録された楽曲。
韻を踏んだメロディとデジタルなサウンドが印象的な一曲に仕上がっています。
作詞作曲を手掛けたボーカルの大森くん曰く、この曲は自然と湧き出てくるようにして楽曲が完成したとのこと。
そして今回考察していく歌詞については、物語形式に進んでく構成となっているので、順を追って紐解いていきたいと思います。
Mrs. GREEN APPLE(ミセス)公式Instagramの投稿から。
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後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください!
それでは早速『Oz』の歌詞紹介から書いていきます。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
Mrs. GREEN APPLE『Oz』歌詞
歌手:Mrs. GREEN APPLE
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
収録:3rdシングル『In the Morning』
発売日:2016年6月15日(水)
あの城を目指そうか
スタスタスタスタのrhythm
ふわふわ踊りませんか
踊りながら 進むわ
ダンジョン
One Day たどり着くその日まで
ワクワクドキドキのストーリー
Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday
Saturday, Sundayはholidayのモーション
signで知らせてよどうか
愛を掘り起こそうか
Ozの魔法でどうか Ah
踏み出せば
不思議な旅は自ずと進んでいく
行き先は君次第
お城はどんな色ですか?
砂利道や泥の沼
ギリギリギリギリでgoing
むりむり踊りませんか?
踊るうちに 上がるわ
テンション
One Way 仲間と力合わせ
ハラハラドキドキのストーリー
Step by Step 愛
Step by Stepっぽい様に
焦らずここはスローモーション
sighで知らせてよどうか
何を掘り起こそうか
Ozの魔法でどうか Ah
帰れない
不思議な国の話は進んでいく
カカトを2回鳴らすと
もうすぐバイバイしなきゃだね
僕はHeartがあったなら
僕は知恵があったなら
僕は勇気があったなら Ah
風で飛んでいった自信もね
どこかで貴方を待っているの
ホントは魔法なんてものはね
最初から在りっこないのよ
涙出来る心が在るじゃない
絞り出せる知恵が在るじゃない
立ち向かえる勇気が在るじゃない
自分の中に既に在ったじゃない
魔法みたいじゃない
『Oz』歌詞の意味&魅力
この曲『Oz』は、1900年にアメリカで出版された児童文学『オズの魔法使い』からインスピレーションを得て書かれた一曲。
『オズの魔法使い』は今でも映画やミュージカルに形を変えて、ある種の”寓話”として語り継がれており、この曲の歌詞全体も一つの寓話として成立しているようです。
ミセス楽曲には度々、”寓話”というキーワードが用いられていて、例えば『Folktakle』や『キコリ時計』などがそれらにあたります。
楽曲を通して聴く人に、何か大切な教訓を伝えようとしてくれているのです。
そしてメロディに関しては、元々打ち込みだけで制作されていた楽曲だったと過去のインタビューで語られています。
そこに必要最低限の楽器を足していったとのことで、制作された当時はある意味で挑戦的な楽曲だったそうです。
そういう意味でこの曲『Oz』は、Mrs. GREEN APPLEというバンドにとって特別な一曲なのかもしれません。
公式音源の紹介
Apple Music上に公開されている公式音源がこちら。
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番:歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞から。
あの城を目指そうか
スタスタスタスタのrhythm
ふわふわ踊りませんか
踊りながら 進むわ
ダンジョン
このパートは『Oz』の導入部分にあたります。
<ダンジョン>とは、”地下牢”や”迷路のような監獄”を意味する言葉で、この曲で歌われるのは、そこからお城を目指す物語なのだと言っているのです。
そして”お城”とは、単なる”お城”そのものだけを表している訳ではなくて、この曲を聴く人たちそれぞれが目指す理想の姿の象徴とも言えるかもしれません。
おそらくこの曲は、理想と現実のギャップに悩み苦しむ人たちに向けた曲であって、そんな人たちに対して救いの手を差し伸べてくれているのだと思います。
作詞を手掛けた大森くんがリスナーに対して、この曲の主人公になる準備はできていますか?と語りかけてくれているのではないでしょうか。
そして1番A’メロの歌詞が続きます。
One Day たどり着くその日まで
ワクワクドキドキのストーリー
Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday
Saturday, Sundayはholidayのモーション
このパートもAメロ部分に引き続き、物語の導入部分に当たります。
冒頭の<たどり着くその日>とは”理想の自分になれる日”のことであり、そんな日を夢見て主人公はワクワクしながら毎日を過ごしているのです。
続く1番Bメロの歌詞。
signで知らせてよどうか
愛を掘り起こそうか
Ozの魔法でどうか Ah
この曲の元になっている『オズの魔法使い』のあらすじを簡単に説明するならば、主人公がオズ(Oz)の魔法の力で願いを叶えてもらうために、オズから与えられた試練に立ち向かう物語と言えますが、このパートからはそんな主人公の願いの強さが伝わってきます。
なんとしても願い(理想の自分になること)を叶えたいという意志が、心の奥底から溢れ出しているのです。
その思いの強さが、最後の<Ah>という言葉に詰め込まれているのではないでしょうか。
そしてそんな強い願いこそが、人生を良い方向へと突き動かすことになるのです。
そして1番サビの歌詞がこちら。
踏み出せば
不思議な旅は自ずと進んでいく
行き先は君次第
お城はどんな色ですか?
何事も一歩踏み出すことから始まります。
主人公の冒険がオズとの出会いから始まったように、きっかけ一つで人生という旅路は大きく前に進んでいくことがあるのですが、そのきっかけは突然訪れるものではありません。
一歩踏み出す小さな勇気が、思いも寄らない大きなチャンスを引き寄せるのです。
<行き先は君次第>と歌われるように、自分次第でどんなところにも辿り着けるという事実を、僕たちリスナーに教えてくれているのだと思います。
そしてその一歩目こそが、<お城の色を思い描くこと>なのかもしれません。
それは即ち、”自分の理想の姿を思い描くこと”なのです。
2番:歌詞の意味
まずは冒頭2番Aメロ部分の歌詞から。
砂利道や泥の沼
ギリギリギリギリでgoing
むりむり踊りませんか?
踊るうちに 上がるわ
テンション
理想の自分を目指して一歩踏み出すことができたとしても、ゴールまでの道のりは決して楽なものではありません。
<砂利道や泥の沼>と歌われるように、様々な試練が主人公の行く先を阻んできます。
おそらくその度に心が折れかけるのですが、そんな厳しい状況にあるときこそ踊ろうよ!と言っているのです。
そうすれば、限界を迎えていたはずの心も少しずつ回復してくるのかもしれません。
もちろん踊れば何もかもが解決すると言っている訳ではなくて、踊ったり笑ったり何か楽しいことをすることで少しずつテンションが上がるはずだと、励ましてくれているのです。
その後2番A’メロの歌詞が続きます。
One Way 仲間と力合わせ
ハラハラドキドキのストーリー
Step by Step 愛
Step by Stepっぽい様に
焦らずここはスローモーション
冒険をしていると仲間が増えることだってあります。
本気で何かを目指している人の周りには、自然と人が集まってくるものなのです。
仲間と力を合わせて困難を乗り越えることもまた、理想の自分になるために必要不可欠なことであり、仲間を作るということはそこに愛が生まれるということでもあります。
そして最後の<焦らずここはスローモーション>という言葉。
仲間同士の信頼関係は、愛あるところに生まれるものですが、その関係性はじっくり時間をかけて出来上がるものだよと教えてくれているように感じられました。
続く2番Bメロは1番Bメロと同様になるので割愛します。
そして2番サビの歌詞がこちら。
帰れない
不思議な国の話は進んでいく
カカトを2回鳴らすと
もうすぐバイバイしなきゃだね
ここで歌われる<帰れない>とは、”まだ理想の自分になれていない”とも言い換えられそうです。
原作『オズの魔法使い』のラストシーンでは、主人公のオズが靴のカカトを3回鳴らすことで目的地に帰ることができるのですが、ここで歌われるのは<2回>という数字。
その数字が意味するものは、”ゴールは近付いているけれども、まだ辿り着いてはいない”という事実になります。
冒頭部分で『オズの魔法使い』という物語は、オズに魔法をかけてもらうためにオズからの試練に立ち向かうお話だと紹介しましたが、実はオズが魔法使いではなかったことが後々発覚することになるのです。
魔法をかけてもらうために冒険を進めていたのに、魔法が使えないなんてたまったもんじゃない!って感じですよね。
あと少しのところで、途方に暮れてしまうことになるのです。ゴールが見えかけていたからこそ、その希望が失われたときに感じる絶望感は想像を絶するものだったんじゃないかな…。
3番:歌詞の意味
まずは冒頭3番Bメロ部分の歌詞から。
僕はHeartがあったなら
僕は知恵があったなら
僕は勇気があったなら Ah
途方に暮れていた主人公は、自分の無力さを嘆くことになります。
困難にも勇敢に立ち向かうことで少しずつ壁を乗り越えてきたにも関わらず、結局は報われずに終わるのかと肩を落とすのです。
自分にもっと知恵や勇気があればなと、タラレバ話に押しつぶされそうになる主人公の姿が想像できますよね。
その後Cメロの歌詞が続きます。
風で飛んでいった自信もね
どこかで貴方を待っているの
ホントは魔法なんてものはね
最初から在りっこないのよ
ここから物語はクライマックスに向かいます。
直前の3番Bメロ部分で自信を失った主人公に対して「その自信はすぐに取り戻せるよ」と語りかけるのです。なぜなら、魔法なんてものは最初からどこにも存在しないのだからと。
一見矛盾しているようにも感じられる歌詞ですが、その言葉の意味はこのあとのラスサビ部分で明らかになります。
そしてラスサビの歌詞がこちら。
涙出来る心が在るじゃない
絞り出せる知恵が在るじゃない
立ち向かえる勇気が在るじゃない
自分の中に既に在ったじゃない
魔法みたいじゃない
魔法の力を信じて困難を乗り越えてきた事実こそが、”魔法”と呼ばれるものの正体だったのです。
一瞬で願いを叶えてくれるような魔法がなくとも、これまでの冒険の中で発揮してきたた”知恵”や”勇気”や”愛情”を持ってすれば、きっと理想の自分になることが出来るのだということなのだと思います。
それは誰もが既に持っているものであり、自分の内なる力の存在に気づくことが出来るかどうかが大事なのです。
最初の一歩を踏み出すことさえできれば、未来はきっと良い方向に向かうはずだと、優しく背中を押してくれる歌詞でこの曲は締めくくられていました。
ぜひ歌詞の意味にも注目しながら、この曲『Oz』を聴いてみて下さい!
理想の自分になるために、一歩を踏み出す勇気を授けてくれるはずです。
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