Aimer(エメ)『誰か、海を。』の歌詞とその意味&魅力について解説していきます。
2ndミニアルバム『誰か、海を。EP』の表題曲として発表された楽曲です。
この曲は、アニメ・ノイタミナ枠『残響のテロル』のエンディングテーマとしても起用されました。
深い深い海の底にいるような、真っ暗闇の世界を歌った一曲。
Aimer公式Twitterに投稿されたツイート。
「noir」収録
8 誰か、海を。それまでも夜は歌ってきたけれど、
ここまで深海に潜るような曲は初めてでした。こんな曲なのに、
こんな曲だからこそ
激しくなればなるほど
微笑んで歌うのが似合うなって
思ってしまうのです。https://t.co/FYgTJiMTgY pic.twitter.com/pn5U1m688i— Aimer&staff (@Aimer_and_staff) April 26, 2017
後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください!
それでは早速『誰か、海を。』の歌詞紹介から書いていきます。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
Aimer『誰か、海を。』歌詞
歌手:Aimer
作詞:青葉市子
作曲:菅野よう子
収録:2ndミニアルバム『誰か、海を。EP』
発売日:2014年9月3日(水)
誰か海を撒いてはくれないか
ぼくの頭上に
沈んでゆく魚と太陽を
浴びたいのだ
あざやかな未知
躓いて消える魔法
プレパラート越しに見える
ひび割れた空
廃墟の屋上に
辿り着く綿毛の
囁きをかこむ
ぼくらはうた
灰色の地上に
飾られたひかりの
轟きを纏う
ぼくらは花束
毟られた翼を
ことば
ふきかえす息もなく
鮮やかに散る
海鳥
満ち引きの真ん中に
嘘つきの星
またたき
導いては突き放し
船を漕ぐ
真夜中の海
残響の潮風と
燃えさかる世界に
頬をうずめ
ひしめく声たちの
うずまきのただなか
手をつなぎ針の雨をくぐるの
暮れてく絶景に
おちてく逆さまの
陽炎とあそび
時間と踊るの
廃墟の屋上に
辿り着く綿毛の
囁きをかこむ
ぼくらはうた
灰色の地上に
飾られたひかりの
轟きを纏う
ぼくらは花束
誰か海を撒いてはくれないか
ぼくらの天井に
『誰か、海を。』歌詞の意味
この曲『誰か、海を。』は、人生に絶望を感じた主人公の姿が描かれた一曲。
どこまでも深く、光の届かない暗闇の世界に閉じ込められて生きる。
聴く人にどこか心地よい息苦しさを感じさせるような楽曲です。
狂気をも感じさせる歌詞を描いたのは女性音楽家の青葉市子さん。
その歌詞と菅野よう子さんが生み出したメロディとが相まって、独特の世界観を創り出しています。
公式MVの紹介
こちらがYouTubeで公開されている『誰か、海を。』公式MV。
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番:歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞から。
誰か海を撒いてはくれないか
ぼくの頭上に
沈んでゆく魚と太陽を
浴びたいのだ
僕の頭上に”海を撒く”というのは、水の中に自分自身を沈めてしまうということ。
それは絶望を意味する言葉になります。
太陽が水平線の彼方に沈み、世界が深い夜に包まれるように、主人公も深い深い海の底へと沈んでいきたいのです。
続く1番Bメロの歌詞。
あざやかな未知
躓いて消える魔法
プレパラート越しに見える
ひび割れた空
未知の世界は鮮やかすぎて、この先の未来を真っ直ぐに見ることなんてできない。
前に進もうとすればいつも躓いてしまう。
どんな素敵な魔法をかけてもらえたとしても、いつも結局上手くいかない。
どうしようもないほどの悲観的思考が、自分自身の心を埋め尽くしています。
主人公の目の前に広がる世界は、いつもプレパラート越しに見ているかのようにくすんでいるのです。
そして1番サビの歌詞がこちら。
廃墟の屋上に
辿り着く綿毛の
囁きをかこむ
ぼくらはうた
灰色の地上に
飾られたひかりの
轟きを纏う
ぼくらは花束
毟られた翼を
“廃墟の屋上に辿りつく綿毛“。
本来綿毛は、子孫を残すために遠くまで飛んでいくのですが、廃墟の屋上では十分に育つことができません。
それは絶望を意味します。
“囁きをかこむ歌“。
小さな音を囲む歌は、そのささやきをかき消してしまう煩わしいもの。
主人公は自分自身を、雑音のように邪魔な存在だと捉えているのです。
光の当たる世界にいる自分はいつも偽りの姿。
伸び伸びと空を飛ぶための翼は、とっくに毟られてしまっているのです。
本日はAimer最新作『誰か、海を。』の店着日!菅野よう子さん、阿部真央さん、Galileo Galilei、青葉市子さん、永野亮さんなどなど素敵な方々にご参加いただいた1枚です。是非フラゲしちゃってください!by staff pic.twitter.com/x438opvucg
— Aimer&staff (@Aimer_and_staff) September 2, 2014
2番:歌詞の意味
2番Aメロの歌詞から。
ことば
ふきかえす息もなく
鮮やかに散る
海鳥
満ち引きの真ん中に
嘘つきの星
またたき
導いては突き放し
船を漕ぐ
自分が発する言葉は誰にも届かない。
いつもどこかへ消えていってしまいます。
それは主人公にとって絶望的であり、強く孤独を感じさせるのです。
そして“海鳥”とはここで登場する”嘘つきの星“のことであり、主人公を間違った場所へと導いていくものとして描かれています。
真夜中の航海では星を頼りに進路を決めていくのですが、その星に扮した海鳥のせいで正しい進路を探し出すことができないのです。
続く2番Bメロの歌詞。
真夜中の海
残響の潮風と
燃えさかる世界に
頬をうずめ
主人公が生きるのは、残響がいつまでも鳴り響く閉鎖空間のよう。
そしてそこはどこまでも続く真っ暗闇の世界。
暗闇の中で燃え盛る炎に囲まれるような絶望を抱え、ただその場に立ち尽くすしかないのです。
そして2番サビの歌詞がこちら。
ひしめく声たちの
うずまきのただなか
手をつなぎ針の雨をくぐるの
暮れてく絶景に
おちてく逆さまの
陽炎とあそび
時間と踊るの
生きることに絶望を感じる主人公にとって、世間の声は心を痛める騒音のようなもの。
地上で生活するということは、針の雨の中をくぐるかのように過酷なのです。
ただユラユラと揺れる陽炎のように、意識すら朦朧とする中でただ時間が過ぎるのを待つ。
主人公はそんな世界で絶望を抱えながら、なんとか生き延びているのです。
この後に続くラスサビは、
1番サビと同様の歌詞になります。
そしてラストはこのフレーズ。
誰か海を撒いてはくれないか
ぼくらの天井に
絶望を抱え生きる主人公の願い。
それはただ深く深く海の底に沈んでしまいたい。
それだけなのです。
ぜひ歌詞の意味をじっくりと味わいながら、この曲『誰か、海を。』の世界観を楽しんでみてください!
聴く人によって様々な解釈のできる楽曲となっています。
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