緑黄色社会（リョクシャカ）『inori』の歌詞とその意味＆魅力について解説していきます。
メジャーデビュー後初となるフルアルバム『SINGALONG』の5曲目に収録された一曲。
エレクトロニカ調でビートが心地よい曲です。
Gt.小林が作詞作曲までを手がけ、緑黄色社会（リョクシャカ）の新しい一面が見れる楽曲に仕上がっています。
緑黄色社会公式インスタグラムに投稿されたGt.小林とVo.長屋のツーショット写真。
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後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください！
それでは早速『inori』の歌詞から紹介していきます。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
緑黄色社会『inori』歌詞
歌手：緑黄色社会
作詞：小林壱誓
作曲：小林壱誓
収録：フルアルバム『SINGALONG』
発売日：2020年4月22日（水）
真っ逆さまに思えてしまう
アスファルトの夜空に
あなたを探した
見たり 見えたり
見て見ぬふり Mystery
そうして僕たちは
互いを見失った
泣きそうな声
纏う Perfume
今でもずっと消えずにいるよ
どこまでが本当で嘘か
分からなくなれど
今夜も何処かもう一度あなたと
出会える夢を見てる
何もできずに
何ができるか考えている
（Take me to the truth）
何周目かの灯台下照らし
意味がないはずないさ Tonight
いつかは何処かどうにかあなたと
笑えるようにやり直して
見つからない 見つからない
鳴らし続けるだけのサイレンだ
見破れない 見破れない
種も仕掛けも何もない真実が
（今夜も何処かもう一度あなたと）
（いつかは何処かどうにか）
のらり暗がり
行ったり来たり
既に何処を歩けども
覚悟と弱音の間
鳴かないのなら
鳴くまで待てば
今にもすっと消えそうな希望
「あと少し」を使い回しては
騙し騙しやれど
曖昧 嫌忌して
問答 対峙した
大体 想定して
焦燥 退治した
どう転んで
どう進もうが
これ以上何もできない
今夜も何処かもう一度あなたと
出会える夢を見てる
真実だけがポートレイトみたいに
浮かび上がるハッピーエンド
見つけるさ 見つけるさ
ここに祈りを捧ぐ pray for you
もう一度 出会えたら
それが僕らの初めましてだから
（いつかは何処かどうにかあなたと）
今夜も何処かもう一度あなたと
『inori』歌詞の意味＆魅力
この曲『inori』は、手を尽くしたならあとは祈るだけ、人事を尽くして天命を待つというようなメッセージが込められています。
作詞作曲を手がけたGt.小林の実体験が描かれており、夜中の運転中に犬が虐待されている現場を見てしまったときの感情を歌っているとのこと。
そのとき何もできなかった自分への戒めの気持ちと、その犬に対しての”祈り”の気持ちを込めて制作されたそうです。
緑黄色社会（リョクシャカ）にとって、新たなチャレンジになった楽曲だと語っています。
公式音源の紹介
『inori』はMVなどの音源が公開されていないので、フルアルバム『SINGALONG』の全曲Trailerを掲載しておきます。
打ち込み音やシンセの音がふんだんに使われた楽曲。
色々な音を重ねることで不思議な世界観を演出しています。
それらの音で時間の普遍性と、歌詞に隠れた生々しさが表現されているようです。
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番：歌詞の意味
まずはAメロ歌詞部分から。
真っ逆さまに思えてしまう
アスファルトの夜空に
あなたを探した
見たり 見えたり
見て見ぬふり Mystery
そうして僕たちは
互いを見失った
このパートは、主人公がショッキングな現場に遭遇してしまうシーンを描いたもの。
真夜中アスファルトの道路を運転していると、目を疑うような光景を目撃してしまいます。
“真っ逆さまに思えてしまう“という部分は天地がひっくり返ったように衝撃的だったことが表現されているようです。
何が起こっているのか気になる自分もいれば、見たくなくても見えてしまう部分もあったり、見て見ぬ振りをしてしまう自分もいたりする。
今自分がどうすることが正解なのか、自分自身が分からなくなってしまっています。
続くBメロ部分の歌詞。
泣きそうな声
纏う Perfume
今でもずっと消えずにいるよ
どこまでが本当で嘘か
分からなくなれど
この部分は当時を回想するパート。
あのとき見た映像や音、そのときの匂いまでが頭に焼き付いてしまっているようです。
ただ、今も刻まれているその感覚がどこまで本当のことか、どこからが時と共に上書きされた部分なのかが分からなくなっています。
自分の記憶を疑ってしまうほどの衝撃的な事実だったのです。
そしてサビ部分がこちら。
今夜も何処かもう一度あなたと
出会える夢を見てる
何もできずに
何ができるか考えている
（Take me to the truth）
何周目かの灯台下照らし
意味がないはずないさ Tonight
いつかは何処かどうにかあなたと
笑えるようにやり直して
見つからない 見つからない
鳴らし続けるだけのサイレンだ
見破れない 見破れない
種も仕掛けも何もない真実が
このサビ部分も、当時を思い出して描かれているパート。
もう一度あの日に戻れたら、もしあんな出来事にもう一度遭遇したならば、自分には何ができるのだろうか。
何が正解だったのかを教えてほしい。
そんなことを毎晩考えてしまう日々を過ごしています。
当時の主人公は、何もできずにただ眺めることしかできなかったようです。
今夜も同じように考え続けるけど、今考えても何も変わらないし意味がないことも分かっている。
それでもどこか心の片隅で、当時に戻ってやり直したいという気持ちが込み上げています。
“鳴らし続けるだけのサイレン“というのは、どうにか正解を教えて欲しいと、助けを求める主人公を表した言葉のようです。
しかし、どんなに正解を探しても見つかりません。
何もすることができなかった自分への苛立ちも感じられる表現になっています。
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2番：歌詞の意味
まずはAメロ部分。
のらり暗がり
行ったり来たり
既に何処を歩けども
覚悟と弱音の間
この部分では、何度考えても答えが出てこない主人公の心情を、これまでの歌詞とは言葉を変えて表現しています。
頭の中を駆け巡る様々な状況、その中を行ったり来たり何度も歩き回ったけれど、しっくりくる答えが全く見つからないのです。
続くBメロの歌詞。
鳴かないのなら
鳴くまで待てば
今にもすっと消えそうな希望
「あと少し」を使い回しては
騙し騙しやれど
この部分前半の歌詞”鳴かない〜消えそうな希望“という部分。
有名な徳川家康の言葉を使った表現。
実際は鳴くまで待てば鳴くだろうという意味で使われますが、この曲では待っていれば消えてしまうと言っています。
ただ呆然と何もできないまま、望まない未来を待つことしかできない自分を表す言葉。
「あと少し」で正解が見つかりそうなのに見つからないんです。
そしてラスサビ前のCメロ。
曖昧 嫌忌して
問答 対峙した
大体 想定して
焦燥 退治した
どう転んで
どう進もうが
これ以上何もできない
音楽的にも言葉のリズムが心地よいパート。
とにかくできることはやりきったことを表現している部分になります。
ほとんどのことは想定したし、色々な問いかけを自分自身に投げかけ、できるだけ鮮明に明確に答えを出そうと全力を尽くした、ただこれ以上は何もできないということ。
それほど主人公は、あの時見てしまった出来事について本気で向き合ったのです。
あとは『祈る』だけ。
それしかできないのです。
最後のラスサビの歌詞がこちら。
今夜も何処かもう一度あなたと
出会える夢を見てる
真実だけがポートレイトみたいに
浮かび上がるハッピーエンド
見つけるさ 見つけるさ
ここに祈りを捧ぐ pray for you
もう一度 出会えたら
それが僕らの初めましてだから
これまでの歌詞を受けて、祈ることしかないことは分かっているけれど、それでももう一度あの時に戻れるのではないかと期待している自分がどこかにいるようです。
そしてもしあの日に戻れたならば、その時はハッピーエンドが待っている。そう信じて止まない主人公がいます。
最後はあの時見てしまった犬への祈りの言葉、そして“それが僕らの初めまして”という歌詞に込められた、当時の自分が何もできなかったことへの後悔の念で終わります。
当時を振り返り、手は尽くした。
あとは祈るだけ。
それしかなす術はないのだから。
想像以上に生々しさが隠された『inori』の歌詞。
歌詞の意味を紐解いた上で楽曲を聴くと、また新しい音に出会えるかもしれません。
ぜひ何度も聴いてみてください！
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『inori』収録アルバム紹介
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