Official髭男dism(ヒゲダン)『Universe』の歌詞とその意味&魅力について解説していきます。
この曲は、5thシングル『Universe』としてリリースされた楽曲。
映画『ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』の主題歌としても起用されました。
“壮大でありながら、同時に温かさも感じられる音作りを目指した”と語られるこの曲では、トライ&エラーを繰り返しながらも前に進んでいく主人公の姿が描かれています。
その姿はまさに、ドラえもんという昔から側にある存在と同じように、これまでもこれからもいつまでも変わらない”人生というものの本質”を映し出しているのです。
Official髭男dism(ヒゲダン)公式Instagramの投稿から。
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後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください!
それでは早速『Universe』の歌詞から紹介していきます。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
動画解説:『Universe』歌詞考察してみた
このブログの内容は下記の動画でも解説中!
Official髭男dism『Universe』歌詞
歌手:Official髭男dism
作詞:藤原聡
作曲:藤原聡
収録:5thシングル『Universe』
発売日:2021年2月24日(水)
未来がどうとか理想がどうとか
ブランコに揺られふと考えてた
まぶたの裏浮かんだハテナ
僕は僕をどう思ってるんだろう?
嬉しい悲しいどっち?正しい間違いどっち?
夕陽に急かされ伸びた影見つめ
公園にひとりぼっち 砂場の解答用紙
しゃがんで分かるはずなくても探した
0点のままの心で暮らして
笑って泣いて 答えを知って
満点の星の中僕の惑星
彷徨ってないで こっちへおいで
涙とミステイク 積み重ね
野に咲くユニバース
ただひとつだけ
未来はこうとか理想はこうとか
心に土足で来た侵略者は
正義だとか君のためだとか
銃を片手に身勝手な愛を叫んだ
嬉しい悲しいどっち?正しい間違いどっち?
主役を奪われ途切れた劇のように
立ち向かう逃げ出すどっち?
答えを決めるのはどっち?
本当は 分かってるんだけどね 不安で
0点のままの心を覗いて
悩んで泣いて時間になって
暗転した舞台明かりは灯って
怖がってたって 傷ついてたって
世界は回っていく 拍手も声もなく未来は
ただ流れてく
星空を見ていた 茶色くなる掌
ブランコに揺られ はしゃいでる姿は
面倒と幸せを行ったり来たりして
ジグザグに散らばる僕の星座
重ねた日々は遠くの惑星だ
思い出し忘れて めぐる過去の向こうから 君は
暗い心にやって来た流星
笑って泣いて 答えを知って
満点の星の中僕の惑星
彷徨ってないで こっちへおいで
今日は帰ろういつの日も野に咲くユニバース
ただひとつだけ
『Universe』歌詞の意味&魅力
この曲『Universe』で歌われているテーマは、自分らしさとは?人生とは?という誰しもが一度は考えたことがあるであろう大きな問いになります。
作詞作曲を手掛けたVo.藤原さんは過去のインタビューでこう語っていました。
自分とドラえもんっていうキャラクターや関係性を考えた時に、当たり前に日常にあるぐらい親しんだものではあって。ドラえもんの主題歌をやることが自然と自分にとってはこの曲で歌ってる、〈昔も今も答えの出ない自分らしさとか、人生ってなんだ?〉みたいな、大きなテーマについて考え続けていたっていうことを思い返すきっかけになったんです。それが歌詞や音の雰囲気に関してもすごく大きなことだったような気がします。
自分が考える理想や他人が考える理想。そこに正しさなんてもがある訳ではなく、一人ひとりが嫌いな自分も好きな自分も受け入れながら生きていく。それこそが人生の本質であり、そんな人生の素晴らしさや生き抜き方が歌われているのではないでしょうか。
そしてそんなメッセージが、韻を踏んだ美しい音に乗せられて歌われるのです。
公式MVの紹介
YouTubeに公開されている公式MVがこちら。
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番:歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞から。
未来がどうとか理想がどうとか
ブランコに揺られふと考えてた
まぶたの裏浮かんだハテナ
僕は僕をどう思ってるんだろう?
このパートで歌われるのは、この曲に登場する主人公の”過去の姿“について。
そしてこの主人公とは特定の誰かを表したものではなく、この世界に生きる多くの人たちの姿を投影した象徴のようなものなのだと僕は捉えました。
多くの人は、これからの未来のことや自分の理想像のこと、そして今の自分自身のことについて毎日のように自問自答し悩みながら生きています。
しかし、その悩みが完全に晴れることはありません。
どれだけ考えても、頭の中のハテナ(自分に対する疑問)がなくなることはないのです。
他人のことや未来のことは愚か、今の自分のことですらよく分からない。
そんな状態が”ずっと”続いていたのだということが歌われています。
続く1番Bメロの歌詞。
嬉しい悲しいどっち?正しい間違いどっち?
夕陽に急かされ伸びた影見つめ
公園にひとりぼっち 砂場の解答用紙
しゃがんで分かるはずなくても探した
今の自分の感情は嬉しいの?悲しいの?
今の自分の生き方は正しいの?間違ってるの?
そんな疑問が毎日のように頭の中を巡っていることが、<夕陽に急かされて伸びた影>という言葉で表現されているのだと思います。
夕陽が沈み影が伸び一日が終わろうとしているのに、今日もまた疑問の答えを出せずに終わってしまうのです。
そんなとき人は孤独を感じ、1人寂しくしゃがみ込んで地面を見つめます。
下を向いていても前に進まないことは誰しもが理解しているのですが、時には下を向きたくなることもあるのです。
ここでは、そんなありのままの人間模様を描くことによって、過去の主人公の行き詰まった様子をリアルに伝えてくれているのだと思います。
そして1番サビの歌詞がこちら。
0点のままの心で暮らして
笑って泣いて 答えを知って
満点の星の中僕の惑星
彷徨ってないで こっちへおいで
涙とミステイク 積み重ね
野に咲くユニバース
ただひとつだけ
冒頭部分で登場する<0点のままの心>とはまさに過去の主人公自身、そして今を生きる多くの人たちの心の中を投影したような言葉。
Vo.藤原さんは「自己評価が苦手」と語っていますが、それは藤原さんに限った話ではなく、多くの人がそんな悩みを抱えているような気がします。
自己評価を低く付けすぎている人たちの姿がこのパートでは描かれているのです。
広い宇宙の中でぽっつりと浮かぶ地味な惑星が自分ならば、周りの人たちの姿はキラキラと輝く星のように感じられるのかもしれません。
自分に自信を持つことが出来ず、周りよりも自分が劣って見えて嫌いになる。多くの人はその繰り返しの中を彷徨って生きているのです。
しかしこの曲では、そんな人たちに対して<こっちへおいで>と優しく語りかけます。
そしてその語り手こそが、現在の主人公なのだと僕は捉えました。
きっと自分のことが嫌いになることがあれば、涙を流すほどに悔しい出来事だってあるはずだけれど、今輝いて見える人たちも同じように悩みもがきながら生きてきたのだと。
迷いながら進んできたその軌跡こそが、いつか唯一無二の輝きを放つのだと。
だからこそ「ありのままの自分でいればいいんだよ」とそっと背中を押してくれるのです。
そしてそれは、
過去を振り返ってみて初めて、気がつくことができる事実なのかもしれません。
2番:歌詞の意味
冒頭Aメロ部分の歌詞から。
未来はこうとか理想はこうとか
心に土足で来た侵略者は
正義だとか君のためだとか
銃を片手に身勝手な愛を叫んだ
自問自答を繰り返して悩み苦しんでいた1番の歌詞とは打って変わり、他人に理想を押し付けられる主人公の姿が描かれます。
<心に土足で来た侵略者>というのがまさに、主人公の未来を勝手に決めつけて理想の姿を押し付けてくる他人のこと。
それはもしかしたら親のことかもしれないし、教師や周りの友達のことかもしれません。
生きていれば必ず、「君のため」と言って自分の行く手を阻んでくる人たちがいます。
それは”愛情”の裏返しなのですが、主人公からするとそれは身勝手すぎる”愛情”なのです。
言わば彼らは、主人公にとって1番身近な強敵であり、このパートではそんな彼らの押し付けに嫌気が差している姿が描かれています。
しかし、だからといってどこに進めばいいのかも分からない。きっとそれが現実であり、もしかすると多くの人はそんな事実に最も苦しんでいるのかもしれません。
続く2番Bメロの歌詞。
嬉しい悲しいどっち?正しい間違いどっち?
主役を奪われ途切れた劇のように
立ち向かう逃げ出すどっち?
答えを決めるのはどっち?
本当は 分かってるんだけどね 不安で
今の自分の感情は嬉しいの?悲しいの?
今の自分の生き方は正しいの?間違ってるの?
1番と同様に、ここでも自分に対して自問自答を繰り返す過去の主人公の姿が描かれます。
目の前の壁に立ち向かおうか、それとも逃げ出してしまおうか、頭を悩ましているのですが、実はどちらの道に進むべきかは既に分かっている様子。
悩んでいるように見えて、実は自分の意思は最初から決まっているのです。
これまでの自問自答は、正しい選択肢を見つけるための問いかけではなく、自分自身の不安との戦いにおける問いかけだったのかもしれません。
こっちの道を選びたいんだろ?と問いかける自分と、もし失敗したらどうする?と問いかける2人の自分が存在していたのだと思います。
主人公はこのパートで初めて、自分自身の心と素直に向き合い始めるのです。
そして2番サビの歌詞がこちら。
0点のままの心を覗いて
悩んで泣いて時間になって
暗転した舞台明かりは灯って
怖がってたって 傷ついてたって
世界は回っていく 拍手も声もなく未来は
ただ流れてく
<0点のままの心>とは過去の主人公の自己評価のこと。低すぎる自己評価はいつまでも上がらず、いつまでも不安や悩みからは開放されません。
しかし、どんなに自分が傷ついたり立ち止まったりしていても、世界は自分のことを待ってはくれないのです。逆に、どんなに前向きに進み続けていたってそれは同じ。
藤原さんはこのパートを通して、自分がどんな状況にいようと何をしていようと、時間は平等に流れていくのだということを教えてくれているのだと思います。
そして、その事実を本当の意味で理解したときに、人は一歩前に進めるのかもしれません。
その後Cメロの歌詞が続きます。
星空を見ていた 茶色くなる掌
ブランコに揺られ はしゃいでる姿は
面倒と幸せを行ったり来たりして
ジグザグに散らばる僕の星座
重ねた日々は遠くの惑星だ
思い出し忘れて めぐる過去の向こうから 君は
ブランコに揺られながら星空を見上げる、過去の主人公が再度登場します。
悩みもがいていた頃の自分を思い出しながら、現在の主人公は過去に思いを馳せるのです。
昔抱いていた自分の理想像とは、いったいどんな姿だっただろうかと、改めて思い返してみるのですが、その姿は今の自分でも到底届かないようなところにいるのかもしれません。
そして最後に登場する<君>とは、おそらく過去の自分のことなのではないでしょうか。
過去を振り返ってから初めて気づくこともあれば、過去を振り返ることで改めて気付くこともある。そんな繰り返しの中で今日も主人公は生きていくのです。
それはいつまでも変わることなく、悩み苦しみもがいた先の答え合わせは、過去を振り返ることでしかできないのかもしれません。
しかし、それこそが”人生”というものであり、だからこそ悩みもがきながらも立ち止まることなく、自分なりの選択をしながら少しずつ前に進んでいこうよと、聴く人の心に寄り添ってくれているような気がします。
そしてラスサビの歌詞がこちら。
暗い心にやって来た流星
笑って泣いて 答えを知って
満点の星の中僕の惑星
彷徨ってないで こっちへおいで
今日は帰ろういつの日も野に咲くユニバース
ただひとつだけ
冒頭部分の<暗い心にやって来た流星>とは、直前のCメロで歌われた<君は>に続く言葉 なのだと思います。
楽しかった経験も苦しかった経験も全てが『思い出』として心の中で生き続け、その『思い出』は、どんなに落ち込んでいるときも流星のように美しい輝きを放つのだということ。
今は0点に思えるような自分もいつかは、満点の星空を創り上げる惑星の1つになるのです。だからこそ0点の自分に思い悩む必要なんてないのだ!と、伝えてくれているような気がします。
人生とは、『思い出』という惑星が作り上げる唯一無二のものであり、それは無限の可能性を秘めた宇宙のようなものなのかもしれません。
今日という日をいつか振り返った時に、美しい星空が広がっていることを信じて、今日も強く生きていこうと思える一曲です。
ぜひ歌詞の意味に注目しながら、この曲『Universe』を聴いてみて下さい!
今日という日が素敵な一日になりますように。
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