Vaundy(バウンディ)『mabataki』の歌詞とその意味について考察していきます。
この曲は、16th配信シングル『mabataki』としてリリースされた楽曲。
一体歌詞にはどんな意味が込められているのでしょうか!?
順を追って紐解いていきたいと思います。
後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください!
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
動画解説:『mabataki』歌詞考察してみた
このブログの内容は下記の動画でも解説中!
Vaundy『mabataki』歌詞
歌手:Vaundy
作詞:Vaundy
作曲:Vaundy
収録:16th配信シングル『mabataki』
発売日:2022年9月10日(土)
もし何も
忘れられない世界で
出会い会ってしまったら
憎み合うのはやめるだろうか
もし何も
覚えられない世界で
すれ違ってしまったら
振り向き合うようになるだろうか
なんて
どこにも見えない敵を今
そこにあてがい
人々は考えることをやめていた。
薄れてく希望は
徐々に蝕み
弾倉の中に願いを込め始めた人々は
また泣き出してしまう
もし何も
忘れられない世界で
出会い会ってしまったら
憎み合うのはやめるだろうか
もし何も
覚えられない世界で
すれ違ってしまったら
振り向き合うようになるだろうか
なんて
足並みを揃え始めた
疑いは罵倒となり
人を食べた。
薄れてく心は
徐々に蝕み
透明な刃に嫉みを込め始めた人々は
まだ泣き止まずにいる
もし何も
忘れられない世界で
出会い会ってしまったら
憎み合うのはやめるだろうか
もし何も
覚えられない世界で
すれ違ってしまったら
振り向き合うようになるだろうか
纏う悲しみが今
また人を傷つけてしまう
もう僕が先に銃を捨てよう
もし何も
忘れられない世界で
出会い会ってしまったら
憎み合うのはやめるだろうか
もし何も
覚えられない世界で
すれ違ってしまったら
振り向き合うようになるだろうか
もし誰も
見つめ合えない世界で
出会い会ってしまったら
手を握って話すだろうか
もし僕ら
明日が最後としたら
憎み合うのはやめるだろうか
思い合うようになるだろうか
『mabataki』歌詞の意味&楽曲背景
この曲『mabataki』は、Vaundy自身初となる日本武道館ライブ2days『Vaundy one man live at BUDOKAN “深呼吸”』の最終日のラストに初披露された楽曲。
そしてその翌日に配信リリース&菅田将暉さん主演のMVが公開されました。
楽曲に対するVaundy自身の一言コメントはこちら。
その時は、いつも瞬く一瞬なのだ。
“その時”とは何を意味しているのでしょうか。個人的には、”人と人とが出会い、何かを感じ取る時”のことを指しているのではないかと思えました。
歌詞だけを眺めていると、なぜタイトルが『mabataki』なのかが分かりづらいですが、コメントやMVを踏まえて考察すると、曲に込められたメッセージが掴めてきそうです。
公式MVの紹介
こちらがYouTubeで公開されている『mabataki』公式MV。
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番:歌詞の意味
まずは頭サビ部分の歌詞から。
もし何も
忘れられない世界で
出会い会ってしまったら
憎み合うのはやめるだろうか
もし何も
覚えられない世界で
すれ違ってしまったら
振り向き合うようになるだろうか
なんて
この曲は、サビ部分のフレーズが何度も繰り返し歌われる構成となっています。
その事実は、それだけサビパートに強いメッセージが込められている、ということの裏返しなのかもしれません。
人と人とが出会えば、少なからず何かしらの感情が生まれます。
そこには”憎しみ”や”怒り”など、ネガティブなものもきっと存在するはずです。
しかし、多くの人が願うのは平和であり、思いやりのある世界ではないでしょうか。
この曲のサビパートからは、そこにある理想と現実のギャップをどうにか埋める手立てはないのかと、自問自答する主人公の姿が見えてきます。
もしこの世界が何も忘れられない世界だったら、平和な世界になるだろうか?と。
人は自分に都合の悪いことをすぐに忘れ、都合の良いことばかりを覚えているからこそ、憎しみ合いが生まれるのかもしれません。
であれば、良いことも悪いことも全て忘れられない世界になれば、平和な世界になるのかもしれないなと考えるのです。
はたまた、何もかもを忘れてしまう世界であればどうだろうか?
そうなれば、人は振り向き合い、相手をもっとよく知ろうとする優しさが芽生えるのかもしれないなと、考えに考え続けているのです。
続く1番Aメロの歌詞。
どこにも見えない敵を今
そこにあてがい
人々は考えることをやめていた。
薄れてく希望は
徐々に蝕み
弾倉の中に願いを込め始めた人々は
また泣き出してしまう
ここで歌われるのは現実世界のリアル。
この世界に生きる人の多くは、より良い世界を目指して考え続けることはありません。
その変わりに、<どこにも見えない敵を>憎しみの対象としてあてがい、それらを攻撃することで安心感と心の平穏を保っているのではないでしょうか。
なぜなら、その方が考え続けることよりも簡単であるから。
それが正しいのか間違っているのかは分かりませんが、正解のない問題に問いを立て続けることよりも簡単であることは間違いなさそうです。
そして考えることを辞めた瞬間から、少しずつ未来への<希望は薄れ>ていき、その現実が人々の心を<徐々に蝕んでいく>のだと思います。
その結果、終わることのない憎しみの連鎖に人は溺れていくのかもしれません。
そして1番サビの歌詞がこちら。
もし何も
忘れられない世界で
出会い会ってしまったら
憎み合うのはやめるだろうか
もし何も
覚えられない世界で
すれ違ってしまったら
振り向き合うようになるだろうか
なんて
繰り返し、冒頭のサビパートと同じ歌詞が歌われます。
直前Aメロ部分で歌われたリアルと向き合いながらも、主人公は平和な世界を目指して今日もまた問いを立て続けるのです。
もしこの世界が何も忘れられない世界だったら、平和な世界になるだろうか?と。
もしこの世界が何も覚えられない世界だったら、思いやりのある世界になるだろうか?と。
しかし考えても考えても、未だその答えには辿り着けずにいるのでしょう。
そして、主人公のように考え続けている人間には、憎しみの感情が生まれないのかと言えばそんなこともなさそうです。
ただ、考え続けることは万能薬にはならないものの、絶望の中に希望の光を見出す治療薬にはなり得るということを、教えてくれているのではないでしょうか。
2番:歌詞の意味
まずは冒頭Bメロの歌詞から。
足並みを揃え始めた
疑いは罵倒となり
人を食べた。
薄れてく心は
徐々に蝕み
透明な刃に嫉みを込め始めた人々は
まだ泣き止まずにいる
このパートも1番Aメロ部分と同様に、現実世界のリアルが描かれます。
<疑い>とは、人がこの世界に対して抱いている疑念や不安のことではないでしょうか。
日々感じる理不尽さや不満は、やがて漠然とした<疑い>に変わるのですが、社会の仕組みが生み出した<疑い>に特定の敵は存在しません。
だからこそ人は、1番Aメロ部分で歌われたように<見えない敵をあてがう>のです。
しかし、次第に同じ不満を持つ者同士が<足並みを揃え始める>と、その<疑い>は”特定の人”や”相反する意見を持つ者”への<罵倒>へと変わっていくのだと思います。
そして続く<薄れていく心>とは、”自分の意志を失った心”と捉えられそうです。
その言葉が表しているのは、<足並みを揃え始めて>しまうと人は考えることを辞めてしまうということなのかもしれません。
その結果、本来は純粋で<透明>であったはずの心に、人は憎しみの刃を宿すことになるのではないでしょうか。
ただ、その憎しみの刃をどれだけ振りかざしても透明な心を取り戻すことはできないのだということを、このパートを通して教えてくれているのかもしれません。
続く2番サビの歌詞は、1番サビと同様なので割愛します。
その後Cメロの歌詞が続きます。
纏う悲しみが今
また人を傷つけてしまう
もう僕が先に銃を捨てよう
ここで歌われる<銃>とは、2番Bメロ部分で描かれた<刃>と同じ意味が込められた言葉だと思います。どちらにおいても、使い方は持つ人によって様々。
もしそれが身を守るために携えた<銃や刃>であったとしても、そこに悲しみや憎しみが纏えばたちまちに人を傷つける凶器と化します。
平和な世界を願う主人公にとって、それはとてつもなく悲しい事実でしょう。
しかしその悲しみが、主人公の<銃>に憎しみを纏わす可能性もあるのです。
おそらくその事実に気がついているからこそ、主人公は<先に銃を捨てる>決断をしたのではないでしょうか。それは、憎しみの矛先を外側に向けないということ。
自分が痛みを引き受けることで、少しでも平和な世界に近づくならばそれでいいという、主人公なりの覚悟が伝わってくる歌詞でした。
ラスサビの歌詞前半部分は、1番2番サビの歌詞と同様なので割愛します。
そしてラスサビ後半部分の歌詞。
もし誰も
見つめ合えない世界で
出会い会ってしまったら
手を握って話すだろうか
もし僕ら
明日が最後としたら
憎み合うのはやめるだろうか
思い合うようになるだろうか
直前のCメロ部分で銃を捨てた主人公ですが、平和な世界を願う姿勢は変わりません。
優しさに溢れた世界を目指して、今日もまた問いを立て続けます。
もしこの世界が誰も見つめ合えない世界だったなら、手を取り合うようになるのか?と。
もしこの世界が明日で終わるならば、憎み合いはなくなるのだろうか?と。
結局、平和を願う人間一人ひとりにできることは、常に考え続けることだけなのかもしれません。おそらくその答えに辿り着くのは、不可能に近いことだと思います。
しかし、考え続ける姿勢そのものが、世界を少しばかり明るくしてくれるはずなのです。
その積み重ねの先に希望の光が見えてくるのではないかと、少しの期待を授けてくれるような歌詞でした。
ぜひ歌詞の意味を踏まえた上で、改めて『mabataki』を聴いてみてください!
Vaundyが望む世界の在り方が、情景として浮かび上がってくるかもしれません。
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