Mrs. GREEN APPLE

Mrs. GREEN APPLE『BFF』歌詞【意味&考察】日常にある永遠を歌う、今日を抱きしめる曲(ミセス)

Mrs. GREEN APPLE『BFF』歌詞【意味&考察】日常にある永遠を歌う、今日を抱きしめる曲(ミセス)

Mrs. GREEN APPLE(ミセス)『BFF』の歌詞とその意味について考察していきます。

「BFF」は、”ずっと親友”という題名どおり、寄り添い合う2人、もっと言えば”僕ら”の呼吸を音にしたラブレター

弱さも冗談も未来への誓いも、ぜんぶ混ぜて抱きしめるような楽曲です。

 

本記事では、歌詞に込められたメッセージをフレーズごとに丁寧に読み解き、楽曲全体を通じて伝わる深い意味を探っていくので、ぜひ最後までご覧ください!

あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。

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Mrs. GREEN APPLE『BFF』歌詞

楽曲情報

歌手:Mrs. GREEN APPLE
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
収録:5thオリジナル・アルバム『ANTENNA』
発売日:2023年7月5日(水)

縁に帰る匂いがした
覚えているかな?
僕たちは
夢中に描いたんだ
大きな宇宙のような瞬き

 

もし君が眠れない夜は
適当にやり過ごせるように
ゲームでもしてたら逃げていく
悪魔を追い出そうよ

 

いつでも
懐かしいと
笑えるように
当たり前でありますように

 

バカみたいな僕の夢を
バカみたいに信じてくれて
やるせないそんな今日でも
僕には君が居る
見失う明日の自信も
独りになるそんな恐怖も
大丈夫 揺るがない
君には僕が居る

 

ありがとう今日も
ただ一緒に
忘れることは無い
ただ永遠に

 

何かが弾ける音がした
覚えているかな?
僕たちが
不安の渦の中で語った
次の為の傷は

 

もし僕が眠れない夜は
何処かへ行ってしまわないよう
変わらず側にいてあげてほしい
鎧を脱げない日こそ

 

いつでも
懐かしいと
涙出来るように
当たり前でありますように

 

起こした奇跡の数を
数えることを忘れてね
ムシャクシャ出来るのはそう
手を取ってくれる君が居るから
見渡せない未来の土地も
人を愛せないそんな恐怖も
大丈夫 「貴方」なら
まず愛してる僕が居る

 

ありがとう今日も
ただ一緒に

 

抱きしめたくなるような
鎖のような
儚いような
説明がつかない
奇跡の先祖だ

 

バカみたいな僕の夢を
バカみたいに信じてくれた
消えてしまいたい夜でも
僕には君が居る
見失う明日の自信も
独りになるそんな恐怖も
「大丈夫 僕らなら」
あの日の僕らが言う

 

ありがとう今日も
ただ一緒に
忘れることは無い
ただ永遠に

 

『BFF』歌詞の意味&楽曲背景

タイトルの『BFF』は一般に「Best Friends Forever(ずっと親友)」を意味します

この曲では、その”ずっと続く支え合いの関係”が、日常のなかだけでなく、不安や孤独といった危機のときにもどう機能するのかを、会話のような自然な言葉づかいで丁寧に描いています

この関係性は、恋人/友だち/バンドメイトなど、複数の読みが開かれており、ファンの間では1番=若井滉斗、2番=藤澤涼架へ向けたメッセージとして読む声もありますが、公式な明言はなく、あくまで受け手の解釈として楽しむのが健やかです。

どの関係性にも着地できる普遍性こそが、この曲の強さでもあると感じます

公式音源の紹介

公開されている公式音源がこちら。

 

ここからはフレーズごとに歌詞考察をしていきます

1番:歌詞の意味

1番Aメロの歌詞。

縁に帰る匂いがした
覚えているかな?
僕たちは
夢中に描いたんだ
大きな宇宙のような瞬き

冒頭の「縁(よすが)に帰る匂いがした」という一文は、作品全体の解釈に大きな影響を与える重要なフレーズ。ここで使われている「縁(よすが)」は、同じ”えん”でも「えにし(因縁)」とは意味が異なります。

「よすが」とは、”頼りにできるもの”や”身を寄せる場所””心の拠り所”という意味を強く持っていますつまり、語り手が嗅ぎ取ったのは、「運命のようなつながり」ではなく、「安心して帰れる場所の気配」です

そして「戻る」ではなく「あえて『帰る』」という言葉が使われている点も大きなポイントではないでしょうか。「戻る」は単に元の場所に戻るというニュートラルな動きですが、「帰る」は、”本来いるべき場所=うち”への帰還を意味します

匂いという感覚は、五感の中でもっとも記憶と強く結びついていて、しかも瞬時に過去と今をつなぎます。だからこそ「よすがに帰る匂い」とは、「まず身体が先に思い出し、そのあとで心が追いつく」ような、深く根ざした帰属感や安心感を描いているのではないでしょうか

続く「覚えているかな?」という言葉は、ただ相手に確認しているだけではないと感じます。むしろ「一緒に思い出そう」と相手を語りのパートナーとして迎え入れているような言い方ではないでしょうか。この歌の語り手は、最初から”複数人の視点”を前提にしているのだと思います。つまり、これは”ぼく”一人の思い出ではなく、”ぼくら”の共通の記憶として語られているのです

「僕たちは/夢中に描いたんだ」というフレーズでは、若い頃の情熱を「夢中」というシンプルな言葉で表しています。

そして「大きな宇宙のような瞬き」という一節。これは、大森くんの比喩の巧みさが際立つ部分だと思います。とても小さな「瞬き」という行為に、広大な「宇宙」というスケールを重ねることで、日常の一瞬が一気に壮大なイメージへと広がります。

この比喩が示しているのは「時間の結晶化」ではないでしょうか。瞬き=最も短い時間、宇宙=最も大きな空間この両極端を一つの言葉で結びつけることで、二人の関係が「今この瞬間」と「無限に広がる未来」の両方を含んでいることを、印象的に描いているのだと思いました

 

続く1番Bメロの歌詞。

もし君が眠れない夜は
適当にやり過ごせるように
ゲームでもしてたら逃げていく
悪魔を追い出そうよ

「もし君が眠れない夜は」という歌詞に出てくる”もし”という言葉には、相手を思いやるやさしさが込められています。相手が眠れない、つまり不安を感じているかもしれないという状況をやわらかく受け止めており、「あなたはそうなんでしょ?」と決めつけていません

さらに「適当にやり過ごせるように」という表現がとても巧みだなと感じました。「適当」という言葉は、場合によっては「いいかげん」というネガティブな意味にもなりますが、ここでは”頑張りすぎずに、ほどほどにやる”という前向きな意味で使われているように思います。

完璧に解決しようとしなくていい、”とりあえず乗り越えればOK”という姿勢が、不安な夜の気持ちを軽くしてくれます

続く「ゲームでもしてたら逃げていく/悪魔を追い出そうよ」には、三つの工夫を感じました。

1つ目は「ゲーム」という身近な言葉を使っていること。哲学的なアドバイスではなく、手軽にできる娯楽をすすめることで、現実的で実践しやすく、聞き手が「自分にもできそう」と思えるような表現になっているように思えました

2つ目は「でも」という言い方の柔らかさです。「ゲームでも」と言うことで、「これだけが正解じゃないけど、こういう方法もあるよ」とさりげなく提案してくれているのではないでしょうか。相手にプレッシャーを与えず、選択肢を残す話し方になっている点が秀逸だなと感じました

そして3つ目は「追い出そうよ」という言葉の選び方。「悪魔を消す」ではなく「追い出す」と言っていることで、不安を”完全になくす”のではなく、”とりあえず外に出す”くらいの気持ちでいいんだよ、とハードルを下げてくれているのではないでしょうか無理に立ち向かう必要はないというメッセージがスッと心に入ってきました

このような言葉の使い方によって、無理のない心のケアのあり方が、自然な形で伝えられているパートだと感じます。

 

1番サビ前ブリッジの歌詞。

いつでも
懐かしいと
笑えるように
当たり前でありますように

このパートでは、語りのトーンが祈りのように変わります。

「〜でありますように」という丁寧で落ち着いた言い回しが使われており、ふだんの言葉づかいの中に、どこか神聖さや特別な気持ちが加わっているように感じました。

注目すべきは、ここで祈られているものが”特別なこと”ではなく、”当たり前のこと”だという点ではないでしょうかつまり、奇跡や特別な幸運ではなく、「何でもない日々が、あとから思い出したときに、懐かしいねと笑えるものであってほしい」と願っているのだと思います

「懐かしい」という感情は、ある意味で未来からの視点を含んでいます。いつか今の時間を振り返ったとき、「あのときはよかったね」と笑えるように。そうなってほしいという願いが、今この瞬間を大切にしようという思いに繋がっているのかもしれません

 

1番サビの歌詞。

バカみたいな僕の夢を
バカみたいに信じてくれて
やるせないそんな今日でも
僕には君が居る
見失う明日の自信も
独りになるそんな恐怖も
大丈夫 揺るがない
君には僕が居る

ここで起きているのは、言葉の意味の反転です。もともとは自分を少し卑下するような「バカみたいな夢」という表現が、誰かに真剣に信じてもらうことで、前向きな力へと変わっています。笑われるようなことでも、本気で信じるという姿勢が、人を支える強さになる。そんな健やかな生き方が、この短いフレーズに込められているように感じました

「やるせないそんな今日でも/僕には君が居る」という部分では、「やるせない今日」という辛い状況を「でも」でやわらかく受け止めつつ、最後に「君が居る」という言葉で安心感を与えています。ここでは、状況が良くなるから救われるのではなく、「大切な人が居る」という存在そのものが希望になっている、ということを教えてくれています

さらに、「見失う明日の自信も/独りになるそんな恐怖も」と、不安や恐れを二つ挙げた後、「君には僕が居る」と視点が反転します。最初は「僕には君が居る」でしたが、最後には「君には僕が居る」となることで、一方的な支え合いではなく、お互いにとっての拠りどころであることも示されています

大森くんの歌詞は、主語や視点の使い方がとても巧みで、人と人とのつながりの深さを自然に表現してくれるのです。

 

1番後のリフレインの歌詞。

ありがとう今日も
ただ一緒に
忘れることは無い
ただ永遠に

このパートでは、「ただ」という言葉が二度使われているのが印象的です。

この「ただ」は、余計な飾りを取り除き、本当に大事なことだけをシンプルに伝えるための言葉。「ただ一緒に」は、人との関係を最低限の形、つまり、”一緒にいることそのもの”として描いています。そして「ただ永遠に」は、時間の中でもっとも長く広がる概念、”永遠”をあらためて言葉にしています。

この2つの「ただ」を一続きで使うことで、「永遠」は遠い未来の話や特別な出来事ではなく、「今日」という日常の積み重ねによって作られていくものだ、というメッセージが伝わってきますつまり、永遠とは非現実的なものではなく、「毎日、ふつうに一緒に過ごす今日」が続いていくことそのものだ、という考え方です

このように、派手な愛の言葉やロマンチックな演出ではなく、日々のふつうの生活を大切にする姿勢に、ミセスらしい感性が表れているなと感じました。

 

2番:歌詞の意味

2番Aメロの歌詞。

何かが弾ける音がした
覚えているかな?
僕たちが
不安の渦の中で語った
次の為の傷は

「何かが弾ける音がした」というフレーズは、聴覚に訴える表現ですが、1番では「匂い」という嗅覚が使われていたので、ここで感覚が切り替わり、場面の印象に新たな奥行きが加わります。

この”弾ける音”は、緊張がほどける音、抑えていた感情があふれる瞬間、新しい段階への変化など、いろいろな意味を含んだ象徴的な表現ではないでしょうか。あえて抽象的にすることで、聴く人それぞれが、自分自身の「何かが弾けた瞬間」と重ねて感じやすくなっています。

続く「不安の渦の中で語った/次の為の傷は」という部分では、特に「渦」と「為(ため)」という言葉が重要だと感じました。「渦」は、外側から中心に向かって巻き込むような動きなので、不安がじわじわと入り込んでくるようなイメージが伝わってきます。そんな不安の真っただ中で、二人は黙ってやり過ごすのではなく、言葉にして語り合っているのです

そして「次の為の傷」という表現により、その痛みがただのつらさではなく、未来のための意味ある経験へと変わっています。

これは、失敗やつまずきを避けるのではなく、それを通してより強くなっていく(壊れることで強くなる)という考え方。痛みや不安を共有し、それを学びや力に変えていく関係性の深さ・成熟がここに表れています。

 

2番Bメロの歌詞。

もし僕が眠れない夜は
何処かへ行ってしまわないよう
変わらず側にいてあげてほしい
鎧を脱げない日こそ

「もし僕が眠れない夜は」という歌詞は、1番で”君”に向けて語られていた提案が、2番では”僕”自身の打ち明けに変わることで、関係性のバランスが浮き彫りになります。

誰かを支える側と支えられる側が入れ替わることで、「どちらか一方だけが弱さを見せる関係」ではなく、「お互いに寄り添い合える対等な関係」であることが描かれているのだと感じました

特に「何処かへ行ってしまわないよう/変わらず側にいてあげてほしい」というフレーズには、重要なあいまいさが含まれているように感じます。この言葉は、僕が心の中で迷子にならないようにとも、君が物理的・感情的に離れてしまわないようにとも読めます。この両方の意味をあえて残すことで、心が不安定になること、そして誰かを失うこと、両方への怖れが重なって描かれているのではないでしょうか

さらに「鎧を脱げない日こそ」という言葉は、非常に繊細な感情を捉えています。一般的には「鎧を脱いで弱さを見せること」が心を開く行為だとされますが、ここでは「その鎧すら脱げない日」にも、そっと寄り添ってほしいという願いが込められています。そして「こそ」という言葉が、その思いを強調しています。

つまりこの関係では、「ちゃんと弱さを見せること」すら求めていないのではないでしょうか泣くことができない日、言葉にできない日、その”うまくいかないまま”でも一緒にいる価値がある、と歌っているのだと思います

感情表現の理想を押し付けることはせず、不器用さや未完成さも受け入れる成熟した優しさが伝わってきました。

 

2番サビ前ブリッジの歌詞。

いつでも
懐かしいと
涙出来るように
当たり前でありますように

再び登場する祈りの言葉「いつでも/懐かしいと…」は、1番では「笑えるように」と続いていましたが、2番では「涙出来るように」と変わり、感情の幅が広がっています。

ここでの”涙”は、ただの悲しみを表すものではなく、”うれし涙”のような前向きな気持ちも含んだ中立的な表現ではないでしょうか。つまり、「涙が出るような思い出」には、喜びや感動も含まれているということです。

このように、”笑い”と”涙”という対照的な感情を、「懐かしい」という時間を通したフィルターで一つのものとして扱うことで、どんな感情であっても、あとから振り返ることのできる記憶として整理されていきます。

ここには、「どんな感情も否定せず受け止める」「どんな出来事も、いつか思い出に変わる」という、日々を生きる中で得られる厳しさと優しさのバランス、つまり”生活の知恵”がにじんでいるのです

 

2番サビの歌詞。

起こした奇跡の数を
数えることを忘れてね
ムシャクシャ出来るのはそう
手を取ってくれる君が居るから
見渡せない未来の土地も
人を愛せないそんな恐怖も
大丈夫 「貴方」なら
まず愛してる僕が居る

「起こした奇跡の数を/数えることを忘れてね」というフレーズは、「頑張った成果をいちいち数えなくていいよ」という優しいメッセージです。「奇跡」という言葉で相手の努力や経験を高く評価しながら、それをわざわざ数えなくてもいいと促すことで、評価や成果に縛られずにいられる自由さを与えてくれます

私たちは、何かを数え始めると「もっとやらなきゃ」と思ってしまったり、「足りない」と感じやすくなったりします。だからこそ、この「忘れてね」は、ただの怠けではなく、「今ここにある関係や気持ちを守るための、意識的な選択」なのではないでしょうか

そして「ムシャクシャ出来るのはそう/手を取ってくれる君が居るから」という歌詞では、「イライラできる」という一見ネガティブな行動が、実は「安心できる相手がいるからこそできること」だと語られます。人は、本当に信頼できる相手の前でしか、自分の弱さや感情を素直に出せないということでしょう

その直後、相手の呼び方が「君」から「貴方」へと変わります。この変化には、単なる言葉づかい以上の意味がありそうです。親しい呼び名から、丁寧で敬意を込めた呼び方へ。関係が深まることで、むしろ相手をより大切に思う気持ちが、言葉に表れているのではないでしょうか

最後の「大丈夫 『貴方』なら/まず愛してる僕が居る」では、「まず」が重要なキーワードだと思います。相手がどう振る舞うか、何を成し遂げるかよりも前に、「愛してる」がある。つまり、評価や結果より先に、無条件の愛があるということ。愛はゴールではなくスタート地点だと、はっきりと宣言しているのだと思います

このシンプルな構成の中に、深い思いやりと信頼が詰まっている。だからこそ、聴く人の心に強く響くのではないでしょうか。

 

リフレインの歌詞。

ありがとう今日も
ただ一緒に

「ありがとう今日も/ただ一緒に」という短い一節は、曲の中で感情を整える静かな瞬間として機能しています。盛り上がるわけでもなく、派手な感動を押しつけるわけでもありません。この部分は、聴き手が一度深呼吸できるような、感情の波をいったんリセットする役割を果たしています。

曲の構成の中でも、特にCメロに入る前のこの箇所は、気持ちを内側に向けて整える静けさの時間として置かれていて、音楽的にも言葉的にも「余白(間)」の大切さが際立っています。まるで、感情の流れにクッションを挟むようにして、これまでの高まりを一度やさしく受け止め、次の展開へと自然につなげてくれているのではないでしょうか

この一言に込められたのは、派手な感情ではなく、「一緒にいられること」そのものへの感謝と、静かな喜びです

 

Cメロの歌詞。

抱きしめたくなるような
鎖のような
儚いような
説明がつかない
奇跡の先祖だ

このパートは、いくつもの矛盾するようなイメージが次々と並べられています。

「抱きしめたい」は温もりや愛しさを表し、「鎖」は縛りつけるような重さや束縛を思わせ、「儚い」は消えてしまいそうな弱さやはかなさを感じさせます。これらは一見バラバラで、相反する感情や印象を持っています。

しかし、それをあえて「説明がつかない」と整理せずに提示した上で、最後に「奇跡の先祖だ」と大きな言葉でまとめているのが印象的です。「奇跡」という偶然のように見える今この関係も、実は過去の無数の出来事や選択、人とのつながりが積み重なって生まれた流れの中にあるということではないでしょうか

つまり、今ある奇跡は、一つひとつの「ありがとう」や、ふだんのやり取りの積み重ねによって受け継がれてきた血筋のようなものだという、時間に対する深い感覚が込められているように感じました

また、この歌詞ではすべての比喩が「〜ような」という言い回しで終わっています。これは、あえてはっきり断言せず、感情や関係のあり方に余白。関係を一つの言葉に決めつけるのではなく、「まだ変わっていける」「まだ育っていける」ものとして大切に扱っているのだと思います。

未完成のものを未完成のまま愛する姿勢。その柔らかさと誠実さが、歌詞の構成そのものにもにじみ出ているのかもしれません

 

大サビの歌詞がこちら。

バカみたいな僕の夢を
バカみたいに信じてくれた
消えてしまいたい夜でも
僕には君が居る
見失う明日の自信も
独りになるそんな恐怖も
「大丈夫 僕らなら」
あの日の僕らが言う

大サビでは、1番のサビと同じ構成をなぞりつつ、描かれる状況がさらに深刻になります。「消えてしまいたい夜でも」と、心の奥にある消えてしまいたいという思いにまで踏み込んでいます。それほどまでに苦しい夜にも、「僕には君が居る」と、支えとなる存在を再確認することで、希望を見出すのです。

そして、このパートで最も印象的なのが、「『大丈夫 僕らなら』/あの日の僕らが言う」というフレーズ。ここでは時間の流れが逆転します。ふつうは、今の自分たちが過去を振り返るものですが、この曲では逆に”過去の自分たち”が”今の自分たち”を励ましているのです。

出会った頃の気持ちや純粋な思い出が、今を生きる自分たちに力をくれる記憶はただの思い出ではなく、「今を支える力」としてもう一度生き直されるということかもしれません

さらに、歌詞全体を通じて少しずつ移り変わっていく「主語」にも注目すべきポイントがあります

最初は「僕」から始まり、

相手を「君」と呼び、

やがて「貴方」と敬意を込めた言葉に変わり、

最後には「僕ら」という”ふたり”の単位へと広がっていきます。

このように、言葉の選び方が丁寧に変化していくことで、「一方的な思い」から「対等な関係」へ、そして「ふたりが作るひとつの共同体」へと、関係性が成長していく様子が描かれているように感じました

だからこそ、最後に出てくる「僕らなら」という言葉が、ただの感傷や空虚な希望に聞こえないのです。ここまで積み重ねてきた関係性のプロセスがあるから、「僕らならきっと大丈夫」という言葉に、リアルで強い説得力が宿っているのだと思います。

この曲は、愛やつながりというものが、最初から完成しているのではなく、「ふたりで手を取りながら、時間をかけて育てていくもの」だと、静かに、でも力強く教えてくれます

 

そしてラストはこの歌詞。

ありがとう今日も
ただ一緒に
忘れることは無い
ただ永遠に

ラストのフレーズは、これまで繰り返し登場してきた”今日”という言葉を、まるで日付スタンプのようにそっと押す、最後の締めくくりではないでしょうか

ここで語られる永遠は、どこか遠い理想やロマンチックな夢ではありません。むしろ、歯を磨く、食事をする、ゲームをする、何気なく会話する、ため息をつく、あるいは沈黙する、そんな小さな日常の行動を「今日も」積み重ねていくこと。そういった日々の繰り返しが、やがて永遠と呼べるような連続体になっていくということです

「忘れることは無い」という言葉も、意志で「忘れない」と頑張っているのではなく、それほどまでに深く日常に染み込んでいるから、「忘れようがない」という状態を表しているのだと思います

そしてこのエンディングでは、ドラマチックなクライマックスではなく、「同じ場所に一緒に居ること」こそが何よりも価値あるものとして描かれます。それは派手な感情や出来事よりも、もっと穏やかで、しかし確かなつながりへの信頼を表しているのではないでしょうか。

このように、最後まで飾りすぎず、生活に根ざした表現で終わることで、曲全体のメッセージをやさしく、でもしっかりと締めくくっています。

 

 

ぜひ歌詞の意味にも注目しながら、この曲『BFF』を聴いてみて下さい!

 

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