Vaundy(バウンディ)『HERO(ヒーロー)』の歌詞とその意味&魅力について解説していきます。
この曲は、1stEP『裸の勇者』の3曲目に収録された楽曲。
未発表曲として2020年頃からライブでは披露されていた曲で、ファンにとっては待望の音源化となりました。
そんな大切な楽曲の歌詞を、順を追って紐解いていきたいと思います。
Vaundy(バウンディ)公式Instagramの投稿から。
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後半ではこの楽曲の意味などについて詳しく書いているので、是非最後まで目を通してみてください!
それでは早速『HERO』の歌詞紹介から書いていきます。
あくまで筆者自身が解釈したものになるので、一つの参考として受け取っていただけると幸いです。
Vaundy『HERO』歌詞
歌手:Vaundy
作詞:Vaundy
作曲:Vaundy
収録:1stEP『裸の勇者』
発売日:2022年2月23日(水)
1000年経っても
夢の中で僕はいつもと変わらないまま
何年経ったか
わからないまま咲いた希望を数えてるから
チクタクチクタクそうだね
こんな言葉に泣いても損だね
そんなことはわかるよ
もう
何もないんでしょ?
ねぇ
チクタクチクタクそうだね
こんな言葉を聞いても「そうだね」
もう
何もないんでしょ?
ねぇ
そんなことも損だ わかるよ
何回聞いてたんだ
ねぇ
何回言わせたいんだ
ねぇ
何回回してくんだ
ねぇ
もう何も言わないで
HERO
何年経っても
夢の中で僕はいつもと変わらないまま
残念だったな
変わらないから咲いた希望も枯れていくから
チクタクチクタクそうだね
こんな言葉に泣いても損だね
そんなことはわかるよ
もう
何もないんでしょ?
ねぇ
チクタクチクタクそうだね
こんな言葉を聞いても「そうだね」
もう
何もないんでしょ?
ねぇ
そんなことも損だ わかるよ
何回聞いてたんだ
ねぇ
何回言わせたいんだ
ねぇ
何回回してくんだ
ねぇ
もう何も言わないで
HERO
何回ついたかな
何回嘘をついたかな
何回もがいたかな
行き止まっていたってもう
何回ついたかな
何回嘘をついたかな
何回転んだかな
もうわかったって
忘れてよ
HERO
『HERO』歌詞の意味
この曲『HERO(ヒーロー)』は、タイトル通り”ヒーロー”が主人公の楽曲になります。
しかし、ここで描かれるのはただカッコいいだけのヒーローの物語ではありません。
正義のヒーローになりうる力を十分に持っていながら、自分の意志とは反して社会から敵とみなされてしまったダークヒーローの物語なのです。
この曲の大前提に置かれている思想は、誰よりも強く、誰よりも優しい心を持ってしても、時には社会から排除されてしまうことがあるということ。
そしてそうやって排除された者は、一生心に憎しみを抱えながら、ダークヒーローとして生きなければならないということ。
この曲では、そんなダークヒーローの心の葛藤が真っ直ぐに歌われていくのです。
実は過去にVaundy本人からこんなツイートも。
ヒロアカヴィラン編を読みながら書いた曲があるんだよねぇ
— Vaundy (@vaundy_engawa) October 5, 2020
おそらくこの曲がまさに『HERO』だったのだと思います。
ちなみに”ヴィラン”とは、悪者を演じる役者という意味の言葉です。
公式MVの紹介
こちらがYouTubeで公開されている『HERO』公式MV。
ここからは歌詞解説をしていきます。
1番:歌詞の意味
まずは冒頭Aメロ部分の歌詞から。
1000年経っても
夢の中で僕はいつもと変わらないまま
何年経ったか
わからないまま咲いた希望を数えてるから
ここで歌われる<1000年>という言葉が意味するのは、おそらく”いつまでも永遠に”ということ。いつまでも永遠に<僕はいつもと変わらないまま>と歌われます。
変わらない自分とはどんな自分なのか?
それは、理想の自分とは相反してダークヒーローとして生きている自分のことなのです。
本当は勇敢で優しい心の持ち主なのに、社会からは敵とみなされてしまう主人公。
正義のヒーローとして生きる道を夢見ているものの、その願いが叶うことはありません。
更にはダークヒーローとして生きるということは、正義のヒーローとは敵対する関係性になるということでもあるのです。
このパートからは、何年経ったか分からなくなるほどに長い間、暗闇の中を生き続けてきた主人公の苦悩がヒシヒシと伝わってきます。
続く1番Bメロの歌詞。
チクタクチクタクそうだね
こんな言葉に泣いても損だね
そんなことはわかるよ
もう
何もないんでしょ?
ねぇ
チクタクチクタクそうだね
こんな言葉を聞いても「そうだね」
もう
何もないんでしょ?
ねぇ
そんなことも損だ わかるよ
いつまでも淡い期待を抱く主人公ですが、時間はいたずらに過ぎていくだけ。
<チクタクチクタク>と時計の針の音だけが耳の奥に鳴り響きます。
その音が主人公の心を締め付けていくのです。
もちろんどんなに泣いたとしても、今ある現実が変わることはありません。むしろ泣いて過ごす時間が無駄に感じるほどに、明るい未来は期待できない状態なのだと思います。
<何もないんでしょ?>という言葉からは、投げやりな姿も垣間見えてきますよね。
どんなに泣いても自分が苦しむだけ。
かといって受け入れ難い現実に直面しているのは事実。
それはそれは叫びたくなるほどに苦しい状況に置かれているのです。
そして1番サビの歌詞がこちら。
何回聞いてたんだ
ねぇ
何回言わせたいんだ
ねぇ
何回回してくんだ
ねぇ
もう何も言わないで
HERO
このパートで歌われるのは、自分のことを敵とみなしてくる正義のヒーローに対する言葉。もしくは、自分の存在を否定してくる社会に対しての言葉とも言えそうです。
意訳するとこんな感じじゃないでしょうか。
主人公「何回言えば俺が悪い人間じゃないって信じてくれるんだよ!」「何回俺に同じことを言わせるんだよ!」「何回俺のことを蹴飛ばし回れば気が済むんだよ!」
「もう分かった、信じてくれなくていいからせめて独りにしてくれよ、悪さはしないからさ…。」といった感じだと思います。
声が届かない世界に対する失望と絶望、そして憎しみまでもが詰め込まれているのです。
2番:歌詞の意味
冒頭2番Aメロ部分の歌詞から。
何年経っても
夢の中で僕はいつもと変わらないまま
残念だったな
変わらないから咲いた希望も枯れていくから
結局何年経っても、主人公の願いが叶うことはありませんでした。
1番の歌詞では、絶望の中でもなんとか希望の光を探そうとする主人公がいましたが、2番の歌詞からは諦めのついた主人公の姿が見えてきます。
「残念だったな…」
このひと言から、これでもかと言うほどの悲壮感が伝わってきますよね。
同時に、これからはダークヒーローとして生きていくのだ!という決意のようなものも感じられます。理不尽な現実を受け入れて生きていく道を選んだのです。
語弊なく伝えるならば、主人公はそれを受け入れざるを得なかったということ。
<変わらないから咲いた希望も枯れていく>とは、どんなに淡い希望を抱いたところで、いつまでも叶わなければ、いつかはその意志さえも枯れ果ててしまうということなのでしょう。
続く2番Bメロ〜サビの歌詞は1番Bメロ〜サビと同様になるので割愛します。
そして最後はラスサビのこの歌詞。
何回ついたかな
何回嘘をついたかな
何回もがいたかな
行き止まっていたってもう
何回ついたかな
何回嘘をついたかな
何回転んだかな
もうわかったって
忘れてよ
HERO
最後は投げやりな態度で、自分にも他人にも嘘を付き続けてきた主人公。
その嘘は、理不尽な世界を生き抜く為に自分なりに見出した最後の術でした。
正義のヒーローになる為にどんなにもがこうと、その道が行き止まってしまうならば、いっそのこと明るい未来を奪ってくるこの世界を変えてやろうとさえ思えてくるのです。
その結果”自分の心に嘘を付き続ける”という自分の中での正義を貫くことを決意したのかもしれません。
誰しもに褒め称えられる正義のヒーローになりたいなんてもう言わない。
その代わり、こんな生きづらい世界をこの手で変えてやる。
絶望の淵に立つ主人公から、最後はそんな野望さえ伝わってきます。
ぜひ歌詞の意味を踏まえた上で、何度もこの曲『HERO』を聴いてみて下さい!
人が持つ大きな志は、きっかけ一つで正義にも悪にも染められるのです。
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