知る人ぞ知る有名なスピーチ。
イギリスの哲学者アラン・ワッツの「もしお金が目的じゃなければ、あなたが望むものは何ですか?」というスピーチの全文和訳をお届けします。
誰もが必ず一度は聞いておきたい、名言が詰まったスピーチなので是非最後までご覧ください。
「本当に生きたい人生を生きているのか」「これから自分はどんな人生を歩んでいきたいのか」そんな疑問を晴らすヒントになるはずです。
これが正解だと受け取るのではなく、このアラン・ワッツの哲学を通して、自分はどう思うか。そんなことを考えながら読んでいただけるとより気づきが得られる気がします。
「あなたが望むものは何ですか?」全文和訳
あなたが望んでいることは何か?
あなたの欲しくてたまらない物はなんですか?
どんな状況を望んでいますか?
例えば、私はよく学生の進路相談に乗ることがある。
彼らは私のところに来て「大学生活がそろそろ終わるのですが、今後何をしていいのかさっぱりわかりません」と質問してくる。
そこで私はこう問いかけます。
「もしお金が存在しなかったら、君は何をしたいのか?」
「何をして君は人生を楽しみたいのか?」
すると面白いことに、今の教育を受けた若者たちは、
「画家になりたい、詩人になりたい、作家になりたい、でもそれじゃあお金は儲からないんです。」と誰もが口を揃えて言ってくるのです。
別の学生は、「私は馬に乗ってアウトドアな生活をしたい」と言う。
私は、「乗馬学校で教えたいのか?もっと深く考えて、本当に何がしたいのかよく考えなさい」と聞き返す。
何がしたいのかを掘り下げていってそれが分かったら、私は学生に言います。
「それをしなさい。お金のことは忘れるんだ。」
なぜならもしあなたが、
「お金を稼ぐことが最も大事なことだ。」と言っているとしたら、
あなたは完全に人生の時間を無駄に過ごしていることになるからだ。
生きるために、したくない仕事をしてお金を稼ぐということをしていれば、それをやり続ける人生になるからだ。実に馬鹿げている。
そんな惨めな状態で長生きするより、短い人生でも好きなことをやって過ごした方がマシだ。
結局のところどんなことでもいい。
本当に好きなことを一生懸命やっていれば、あなたは必ずその達人になるだろう。
それが「好きこそ物の上手なれ」なのだ。
その結果、あなたにそれなりの報酬を払う人も出てくるだろう。
だから何も心配することはない。誰か必ず興味を持つ人が出てくる。
あなたのやっていることに共感してくれる人も出てくる。
しかし、自分がしたくないことをして人生を過ごすことなんて実に馬鹿げたことだ。
自分のしたくないことに人生を費やせば、それを子供たちにまで同じような道を辿るように教え、受け継がせているのだ。
だから、自分のやっていることをよく見直すことだ。
もし子供を育てているのなら、自分と同じような道を歩むよう教育していないかどうか。
人は、自分を正当化しようとするために充実した人生を送ろうとしながら、同じようなやり方で子供たちを育てているのだ。
まさに吐き気がするのに、いつまでたってもゲロを吐けない状態で生きているのだ。
だから、この質問にじっくり取り組むことがとても大切なことになってくるのだ。
「私は何を望んでいるのか?」
ー アラン・ワッツ ー
下記は山下歩さんという方が制作した、美しい映像と共にアラン・ワッツの「もしお金が目的じゃなければ、あなたが望むものは何ですか?」の全文がまとまった動画になるので、是非見てみてください。
たくさんの名言が詰まった数分のスピーチから、何か感じるものがあるはずです。
改めて胸に手を当てて、仕事やお金というものを排除した時に「自分は何をしたいのか?」深く深く考え向き合っていきたいですね。
どんな名言にも様々な意見や感想があると思いますが、あくまで1人の哲学者の1つの考え方です。別のスピーチでもアラン・ワッツは、100%の正解は存在しないという様なことを伝えています。
響くものがあれば、良い考え方だと思った部分を自分の力に変え、共感し難い部分は、また別の考えを自分自身の中で大切にする。
このスピーチを定期的に振り返り、自分自身と向き合うきっかけにしていくのも良いかもしれません。
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